カラチャイ湖はソ連が隠蔽した世界一汚染された湖!ウラル核惨事の真実も

作業員が湖畔にもっとも近づき、岩を降ろす作業に3分以上はかけられませんでした。岩を投げ入れ、すぐにその場を去らなければ、致死量の放射能を全身に浴びてしまうからです。多くの労働者は、死と隣り合わせの作業を繰り返しさせられました。

2015年11月26日カラチャイ湖埋め立て完了

カラチャイ湖を埋め立てすることに決定した日から、40年以上も経た2015年11月26日に作業は完了しました。今からたった4年前に、カラチャイ湖はコンクリートで封印されたのです。つい最近まで、カラチャイ湖で作業が続けられていました。

カラチャイ湖の現在

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40年以上の歳月をかけてようやく埋め立て作業が終了したカラチャイ湖。ソ連の最重要国家機密である核施設並びに、秘密都市の重要な土地として以前から立ち入り禁止であった湖は、現在も当局によって人々の干渉を拒み続けています。

カラチャイ湖周辺は依然として立ち入り禁止

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埋め立て工事は完了しましたが、この危険な湖を維持管理できる技術や経験はどの国も持っていません。あまりにも人間にとって有害なこの湖は、厳しい監視によって立ち入り禁止区域に指定されています。

放射性物質がなくなるまで数千年

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カラチャイ湖に蓄積された放射性物質が安全なレベルにまで消滅するまで、数千年物もの時間がかかると言われています。国内外の専門の研究者達は、放射性物質を移動させるよりも、そのままこの湖に留めておいた方が安全だと述べています。

マヤーク核技術施設は稼働中

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何度も事故が起こり、深刻な放射能汚染を引き起こしたマヤーク核技術施設は、驚くことに今現在も使用済み核燃料の再処理施設が稼働しています。新しく施設を建設することが困難である上に、ロシアで一つしかない再処理施設でもあることから今後も稼働し続けることが確実とされています。

放射性廃棄物は人工湖へ

カラチャイ湖が完全に埋め立てられた後も、核施設の稼働は止まらず放射性廃棄物は溜まり続けます。その廃棄物はマヤーク敷地内の、新たに作られた人工湖に廃棄され続けています。数か所作られていると言われる人工湖は、いずれも高濃度の放射性廃液で満杯となっています。

人工湖から北極海へ注がれる放射性廃棄物

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増え続ける放射性廃棄物を投棄するための湖を作りますが、この湖はカラチャイ湖よりも汚染度は低いものの、地下水の汚染が進んでいます。人口湖から流れ出した地下水は近くのケチャ川を汚染し、オビ川を通ってシベリアを経由し、最終的に北極海にまで到達しているという深刻な事実が判明しています。

カラチャイ湖の絶景画像

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元々は自然豊かなウラル山脈の中にあったカラチャイ湖。周辺では172もの川が流れ、130もの美しい湖がある土地で温泉も多く、大理石、金なども発掘することができました。近隣に住む村の住民は、豊かな自然の中で動物を育て畑を耕し、飲料用の水も川や湖からとっていました。

美しかったカラチャイ湖

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自然豊かで住民に恩恵を与えていたカラチャイ湖は、核関連施設とその増え続ける放射能廃棄物によって、世界一汚染された湖と呼ばれるようになりました。そして今もなお、放射能廃棄物はカラチャイ湖付近に人工的に作られた湖に廃棄され続けています。

死の湖となったカラチャイ湖

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誰も近づくことができなくなったカラチャイ湖は、「世界最悪の放射能汚染湖」と呼ばれ始めます。コンクリートで覆われたため、表面からの放射能汚染は食い止められますが、地下水の汚染は止めようがありません。核施設で作られる汚染された作業着や器具などの廃棄物も、マヤーク敷地内の200か所以上に埋め立てられています。

カラチャイ湖へ観光にいける?

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事故から40年たった現在も当局によって監視、保全されているカラチャイ湖ですが、元の安全な土地に戻るまで何千年もかかるといわれています。今なお、放射性廃棄物が捨てられ続けているので、観光で行く場所でないのは明白です。周辺に住む被害を受けた住民に対して、補償もなく時間だけが過ぎていることからも、観光はお勧めできません。

マヤーク近くの村に住む人々

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マヤーク核施設から北東に約50km離れた場所に存在するカラボルカ村。この村に住む住民が、事故による放射能汚染の被害を知ったのはソ連崩壊後の92年になってからでした。カラボルカ村以外の周りの町や村の住民が、強制移住されていたことすら知らされていませんでした。今もなお村人の多くは、がんや慢性病に侵されています。

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