ツムブリってどんな魚?生態や特徴、美味しい食べ方をご紹介

ツムブリという魚をご存知でしょうか。その名前からブリの仲間だと思われる方も多いかもしれません。ブリの仲間じゃないの?と思われた方はもちろん、既にツムブリをご存知という方にもツムブリの生態や釣り方、その味から料理方法までツムブリの魅力をご紹介していきます。

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ツムブリの分類

ツムブリってブリの仲間?

ツムブリと聞くとブリの仲間なのか?という疑問がまず出てくると思います。結論から言うと正確にはツムブリはブリとは違います。ツムブリの分類は、「スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ツムブリ属」の魚で、ツムブリ属の種類はこの1種しかありません。ブリの分類はと言うと「スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属」の魚でブリ属にはカンパチ、ヒレナガカンパチ、ヒラマサ、ブリがあります。ツムブリとブリは分類上違うものの、その見た目はそっくりで、見分けるのは難しい魚です。

ツムブリの生態

ツムブリの群れは圧巻

ツムブリは成魚になると体長約1メートル程になる大型の海水魚です。大きいものでは2メートル近くのものも確認されているようです。60センチ程の大きさのツムブリは群を作って回遊し、そのツムブリの群れは圧巻。成魚になると群はつくらず単独で行動します。比較的沖合の表層を回遊し小魚や甲殻類などを餌としています。泳ぐスピードも速いため定置網や釣りで捕獲出来ます。

ツムブリの特徴

ツムブリの特徴は鮮やかなライン

ツムブリは細長い紡錘形(ぼうすいけい)をしており頭から尾びれにかけて青色のラインが2本入っています。生きているときには黄色のラインも見られます。側線に稜鱗(ぜいご)と呼ばれる棘のような鱗がなく、尾びれのあたりに小さな棘のような小離鰭(しょうりき)があるのも大きな特徴です。この小離鰭は泳ぐ際に水の抵抗を抑えてくれる役割をしています。頭が小さく口が尖っていて、全体的にスラッとしています。この見た目なら泳ぎが速いのも納得ですね。

ツムブリとブリの違い

種類は違うが見た目はそっくり

見た目はブリやヒラマサと似ていて見分けがつきにくいツムブリですが、1番簡単な見分け方は全体的な形ではないでしょうか。ブリは全体的に比較的ふっくらした形ですが、ツムブリはブリと違い細身のライン。顔が小さくキツネの様で高知の方ではツムブリの事を「キツネ」と呼ぶこともあるようです。鱗の形が縦長の楕円形をしていて、大きいものだとその鱗は1センチのものもあります。分類上は違うツムブリとブリですが素人が見た目で見分けるのはなかなか難しいようです。

ツムブリの名前の由来

「ツムブリ」名前の由来はその形

ツムブリは漢字で書くと「紡錘鰤」となります。機織りなどで使われる紡錘型の糸を巻いておく芯のことを「紡」と言い、これに糸が巻かれている状態にツムブリの形が似ている事から来ていると言われています。地方によって呼び方も色々あり、関西の方では「オキブリ」や「ダンゴブリ」と呼ばれたり、伊豆の方では「スギ」、鹿児島や沖縄では「ヤマトナガイユ」とも呼ばれています。また、その鮮やかな見た目から英名はRainbow runnerと名付けられており、なんだか一気にカッコいい雰囲気になりますね。どちらも見た目から来ているのに、和名と英名でこんなに差があるのもおもしろいですね。

ツムブリの分布

ツムブリは何処で釣れるの?

ツムブリは南国の大型の魚で暖かい海域を好みます。世界中の熱帯・亜熱帯に生息しますが、日本はツムブリの生息の北限となっており、日本では伊豆諸島や小笠原諸島、青森から九州南岸の日本海・東シナ海沿岸や沖縄などに多く生息しています。ブリやヒラマサ、カンパチより南の方に分布されています。そのため関東や東北の方にはあまり流通していないので認知度も低い魚です。

ツムブリの時期

ツムブリを釣るなら夏から秋

ツムブリの釣りの時期は夏から秋にかけてです。しかし一年中釣ることが出来るのでツムブリ釣りはいつでも楽しむことが出来ます。春から夏にかけての小振りのツムブリは淡白な味をしていますが、冬になり海水温が下がると脂がのる為、冬に釣れたツムブリは一味違うでしょう。

ツムブリの釣り方

ツムブリを釣るなら船釣りで

ツムブリを狙うには船釣りが1番です。ルアーなどの餌をつけて船で引っ張るトローリングがすすめです。サンゴ礁域や岩礁域の比較的表層〜中層に生息していますので、そこを狙いましょう。ルアーは20センチ程のメタルジグやミノー、トップウォーターなどがおすすめです。ツムブリは泳ぎの早い魚ですので、投げたルアーを素早く巻き取るファストリトリーブが基本です。磯からのフカセ釣りでも狙うことが出来ますが、その際は潮の流れの速いところ、ある程度の水深のある所で狙いましょう。ムロアジや小鯖を使っての泳がせ釣りも楽しいでしょう。

ツムブリの味

値段は安いが味は絶品のツムブリ

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