チョウザメとは?どんな魚?
チョウザメの名前の由来
「チョウザメ」という名前の由来は、形状がサメに似ているということです。また、体表にある鱗が蝶の形をしていて、かつ全体的な形状がサメに似ていることからこのような名前が付けられています。英名は「sturgeon」。
チョウザメとサメの違いって?
チョウザメは、名前に「サメ」と付いていますが、実際のところ、生物学的にはサメと全く関係のない魚です。チョウザメはチョウザメ目に分類される古代魚の分類群に属しています。形が似ているサメが軟骨魚類に属しているのに対し、チョウザメは硬骨魚類に属しているため、系統が全く異なります。
チョウザメの生態と特徴
チョウザメの生態
日本には天然で生息していないチョウザメ。キャビアが有名なので、なんとなく名前を聞いたことはあっても、実際どのような生態なのかはあまり知られていないですよね。
チョウザメは、北半球の亜寒帯から寒帯にかけての比較的寒冷な地域に生息しています。種類によっては淡水に生息するものと海水に生息するものに分かれていて、鮭などのように産卵の時期に合わせて川に遡上するタイプのチョウザメも存在します。産卵後も再び海に戻り生活し、長いものでは数十年生きるものもいるようです。
チョウザメは、見た目はサメに似ていても実は全く別の生き物。種類にもよりますが、1Ⅿ前後から3Ⅿ近くに成長するものもいます。が、基本的におとなしい生き物で、歯も持たないので噛みつかれることもありません。食べるのは砂の底に潜んでいる貝やエビ、他の生物の死骸などで、積極的に他の魚を捕食するということはありません。チョウザメには顔の先端部分に4本のひげが付いていて、そのひげで川底を探りながらエサを探します。
チョウザメ 見た目の特徴
チョウザメは、その名前の通りサメに似た形状と、羽を開いた蝶のような形の硬い鱗が特徴です。先述のように顔の先端にひげが付いていて、その部分だけを見るとまるでナマズのようにも見えます。また、サメと違ってえら穴がないこと、浮袋を持っているなどの特徴があります。
チョウザメの生息地と分布
チョウザメは基本的に北半球の寒冷な地域に生息しますが、水温の適応幅が広く、水面に氷が張ってしまうような冷たい水から、27℃近い温かい水の中まで、さまざまな環境で生息することが出来ます。現在は、ロシアやヨーロッパ、アジア北中部、北アメリカなど世界各国に30種類近くの数が生息しており、基本的には淡水生で川や湖に住んでいます。
チョウザメの養殖は可能?
チョウザメ養殖のための基礎知識
結論から言いますと、チョウザメの養殖は「可能」です。ただし、国内でのチョウザメ養殖は現段階ではあまりメジャーではないので、養殖するには注意が必要です。北海道から沖縄まで、日本のさまざまな地域でチョウザメ養殖を考えている人がいるそうです。廃校のプールや工場の空きスペースに池を作ったりして養殖するケースもあるそうです。
チョウザメの飼育環境について
チョウザメは警戒心があまりなく動きが遅い魚です。そのため、稚魚を屋外で飼育する場合には、外敵に襲われることがないように配慮が必要です。適応温度の幅は非常に広いので、さまざまな環境で飼育することが可能です。そのため、実現可能な環境の中で、より養殖場所や予算、条件にあった飼育環境を選択できます。ちなみに、適温は20℃前後です。
チョウザメのキャビアと販売について
外見では雌雄の判別が難しいので、生後約3年ほどでおなかを切開して精巣・卵巣を見分けて印をつけたり、池を雄雌で分けるなどが養殖の方法として一般的です。また、キャビアが取れるようになるまでは生後10年前後の時間がかかりますので、メスの場合は、更に7年間飼育するとキャビアを産卵するようになります。
固体差はありますが、体重10㎏のメスから約1㎏のキャビアが取れます。ただし、大量のメスを確保して、キャビアの販売のみでは利益が出るまでに長い年月がかかってしまうので、チョウザメの肉との販売を並行してするめる販売方法がより現実的であるといえます。
チョウザメの旬はいつ?
キャビアの「新物」
たとえば、早摘みの果物のように、ワインならボジョレーヌーヴォーのように、季節の中で一番最初に作られるキャビアは「フレッシュキャッチ」とも呼ばれており、世界中の食通たちを魅了しています。春は3月後半から、秋は9月後半から収穫されたキャビアがそれに当たります。数週間の軽い熟成を経て出荷されるフレッシュキャッチをレストランなどで食することが出来るのは6月半ばごろまでと10月から11月にかけてとなります。