内臓は絶対に食べない
どの食べ方をするにしても内臓は絶対に食べてはいけません。前述したように、ハコフグの内臓にはパリトキシンと呼ばれる超がつく猛毒が蓄積している可能性があるのです。どんなに調理をしてもこの毒が分解されることはありません。実際にハコフグのもつ毒により中毒症状を起こした事例も報告されています。
ハコフグを調理するには免許が必要
他のフグと同様、調理にはフグの調理師免許が必要です。自分で捌いて食べることはやめましょう。
ハコフグって飼えるの?
幼魚は観賞用としても人気が高い
ハコフグは幼魚の頃には体調が1~2cmしかなく、ぽってりした球体のような可愛らしいフォルムと熱帯魚のような鮮やかな体色から観賞用としても注目を集めています。特にミナミハコフグは黄色い体色に黒い斑点を持ち、そのおしゃれな見た目から人気が高いです。成長するとうす暗い色に体色が変化し、体の形も細長くなっていきます。
特徴的な泳ぎ方の虜になるファンが多数
泳ぎが未熟なハコフグの幼魚がパタパタとおもちゃのように一生懸命に泳ぐ姿に心を奪われる人も多いです。
どんな種類のハコフグがいるの?
ハコフグと言ってもたくさんの種類がいます。ここでは観賞用に人気の3種類をご紹介します。
ミナミハコフグ
鮮やかな黄色の体色に黒の斑点が個性的な一番人気の高い種類です。黒潮に乗って伊豆や紀伊半島周辺で見かけることもあります。
コンゴウフグ
小さいうちはミナミハコフグと同じようにサイコロ状の形をしていますが、成長すると頭部や腹部に大きな棘が生えてきます。飼育は他のハコフグと同様簡単ではありませんが、人になれることがあり愛嬌があります。
ラクダハコフグ
三角形の顔を持つラクダハコフグ。幼魚は淡い綺麗な茶色の体色です。目の色はダークグリーンで何とも愛らしい。泳ぐのが遅いという特徴があり、水槽内の給水口に張り付いてしまうこともしばしばです。
ハコフグの飼育のポイント!
単独飼育がおすすめ
ハコフグは危険を察知すると皮膚表面からパフトキシンという毒を放出します。混泳することでこの毒が放出されると、水槽内の魚が全滅してしまう危険性があります。その為、できれば単独で飼育してあげましょう。
餌付け
ハコフグの餌はペレット状の配合飼料やクリルなどを準備しましょう。慣れない環境では頑なに餌を食べない個体も多く、気長に継続して餌付けをする忍耐力が必要です。ハコフグの仲間は特徴的な体つきから痩せているかの見分けが難しく、初心者には飼育が難しいとも言われています。
ストレスに弱く、水質に敏感なデリケート体質
水質の変化には敏感ですぐに体調を崩してしまうので、こまめな水替えを行い、いつも綺麗な水槽をキープしましょう。とくにアンモニアには弱いので、水槽に入れる前にはアンモニア濃度を測定するようにしましょう。白点病にもかかりやすいので全身の状態をよく観察してください。
吸い込まれ注意
ハコフグの赤ちゃんはとても好奇心旺盛です。とんがったおちょぼ口で水槽のあちこちを突いて回る可愛らしい姿が観察できることでしょう。しかし幼魚のうちは体も小さいので、水槽の中を探検しているうちに給水口に吸いこまれてしまう危険性があります。水槽の中に産卵箱を作ったり、吸い込まれないようネットを張るなど対策をしておくと安心です。
こんなところにもハコフグが!
実は私たちの身近な所にもハコフグは潜んでいたのです。
あの某有名人のトレードマークの帽子はハコフグだった
魚類学者のさかなクン氏がいつも被っている魚の帽子。あの魚はハコフグだったとご存知でしょうか?さかなクン氏はあのハコフグ帽子に「プクプクちゃん」と名前を付けて、大切にしています。なぜハコフグなのかについては、小さい時に魚屋さんで大きなタイやブリにぶつかりながらも一生懸命泳ぐハコフグの姿を見て感銘を受けたからだと話しています。
あの大手メーカーの車のデザインに採用された
世界的な自動車メーカー、メルセデスベンツが過去にハコフグの体形をモチーフにした車を作っています。ハコフグは1秒間に体長の6倍もの距離を泳ぐことができることから、空気抵抗の少ない燃費のいい車のデザインとして採用されました。コロンとした体からは想像もできないような優れた構造を持っているんですね。
まとめ
毒にさえ気を付ければ食べてもよし!見てもよし!個性的でキュートな魚
小さくてキュートな見た目とは裏腹に、鎧のような強固な皮膚、自分までも死んでしまう危険があるほど強力な毒を持っているハコフグ。自然界で生き抜くために独自の進化を遂げてきました。食用としても観賞用をしても珍しく個性的で面白い魚です。これを機会に是非、ハコフグと触れ合ってみてください。