ブラックバス料理は美味しかった!寄生虫にはご注意を!

ブラックバスは、同じ白身魚のタイ(鯛)に比べると、タンパク質含有量はほぼ同等ですが、脂肪分は10分の1程度のとてもヘルシーなお魚です。ブラックバスの一大生息地である琵琶湖に近い大津市の滋賀医大医学部付属病院では入院患者用の食事メニューとしてブラックバス料理を提供する試みも行われています。

栄養面だけでなく外来魚駆除の観点からも、釣れたブラックバスを料理して食べることを推奨している自治体もたくさんあります。その一方で栄養価の高さから肥料や家畜の飼料に利用する研究まで行われており、わたしたちの口に入らず動物のえさになってしまうという、とてももったいない現状があります。

ブラックバスはダイエットにも効果あり

ブラックバスは脂肪分が低いこともあり、カロリーも他のお魚に比べて低い数値を持っています。また血液中の中性脂肪やコレステロールを減らすタウリンの含有量も多いお魚です。

お魚の良質のたんぱく質に加え、低脂肪、低カロリー、高タウリンな食材であるということは、メタボリックシンドロームやダイエットに悩んでいる人にとって最適の食材だということです。現在はまだまだ食用としての認知度が低いですが、健康食材として、今後ますますクローズアップされてくるかもしれません。

ブラックバスは疲労回復も期待できる

ブラックバスが多く含んでいる栄養素タウリンは人間にとって欠かせない必須アミノ酸の一つです。人間はタウリンを体内で生成することもできるのですが、合成能力はあまり高くないので、足りない分を食物から摂取することがどうしても必要になってきます。

栄養ドリンクの成分としてよく使われているタウリンは、人間の体内で、肝臓の働きを助ける効能も持っており、疲労回復に効果がある栄養素です。高タンパク低脂肪、メタボ、ダイエットに効果あり、そして疲労回復と、ブラックバスは体にいい働きをたくさん持っている、ほんとうに優れた食材です。

ブラックバス料理を食べるときの注意点

日本人の食習慣においては歴史が浅いブラックバスを食べる際には、気を付けなければならない点がいくつかあります。注意を守らないと、単においしく食べられないということだけではなく、人体にとって非常に危険な事態を招くこともあります。それでは、注意点を順に見ていきましょう。

寄生虫に注意

淡水魚全般に言えることですが、ブラックバスも寄生虫の危険性がとても高いお魚です。よく見られるのは「顎口虫(がくこうちゅう)」という、淡水魚版アニサキスともいうべき寄生虫です。

人体に入り込むと皮膚内を移動し、引っ掻き傷に似たみみずばれやかゆみを引き起こし、ごくまれに内臓や目、脳に入り込むと最悪の場合、失明や体の麻痺などの後遺症を引き起こす危険性があります。感染した場合、外科的治療で取り除くか薬物投与で死滅するのを待つしかありません。

生食は絶対しない

寄生虫の危険を避けて、安全に美味しく食べる方法はただ一つ、必ず火を通すことです。お酢でしめてもこの顎口虫はなかなか死なない寄生虫なので、十分に加熱調理するのが一番確実です。一部のマニアの間で、ブラックバスのお刺身は絶品とも言われていますが、生食は絶対にやめましょう。

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