ホウボウについて
暖かい海の底に住んでいる魚で、西太平洋から東シナ海、南シナ海までの水深100m〜200mを主に、600mの深い砂泥底で生息しています。胸ビレに3本の足のように見える柔らかい軟条は発達しており、海底を歩くように獲物を探し回ります。
大きいものは40〜50cmにもなり、見た目も面白い魚で、緑色ベースに青色の縁どりに青い斑点、大きく綺麗な胸ヒレを持っています。体は、鮮やかな赤色で、その他のヒレ類は淡いピンク色をしています。名前の由来は、海から釣り上げられたときに、浮き袋を震わせ「ボーボー」という音を鳴らすためとされています。
食用として人気がある魚
鯛に匹敵するほど美味しいとされ、縁起物の魚としても有名です。昔は殿様が食べていたとも言われています。身だけではなく、アラや皮も美味しく食べることができるため、その美味しさ故、とても人気がある魚です。新鮮なものは、目が黒く、エラは綺麗な赤色、腹は硬いので、釣りやスーパーなどで目にした際はその点を判断しましょう。
淡白な白身魚
身は薄いピンク色の白身で、弾力があり、しっかりしていて、クセが全くありません。濃厚でさっぱりしていて、鯛やフグに似ていて、旨みと甘みが強く、煮る焼く生なんでも美味しく頂くことができます。白身は透明感があり、熱を通すとキュッと締まります。
また、EPAとDHAが豊富に含まれており、血中のコレステロールを下げる働きをします。アラからも美味しいダシが取れやすく、鍋にして活用することもできます。
旬は秋から春
産卵期は九州では1〜4月、その他では6月ごろにかけての春先から初夏になります。比較的年中釣ることができ、どの時期に釣っても美味しい魚ですが、12月〜2月の冬が最も美味しく身に脂がのっていると言われ、身はモチッとした食感になります。
近年入荷量が多くなったことによって、時期になると比較的安価で手に入りやすくなってきましたが、ネットなどでは国産の天然ホウボウは、0.8〜1kgの大きさのものが3800〜5000円ほどの高値で売られていたりします。
アマダイ釣りの仕掛けで、ホウボウが釣れることがあるようです。釣り方に関してまとめた記事があるので、こちらを参考にしてみてください。
ホウボウの捌き方をご紹介①鱗を落とす
この魚の鱗は比較的小さいため、包丁でも簡単にそぎ落とすことができますが、細かいところなどは、アイテムを使用しても良いです。鱗の落とし方をご紹介します。
鱗を落とす
まずは、流水をかけながら包丁の背やウロコ取りを使って、魚の尻尾からヒレにかけて鱗を削ぎ落とします。白っぽくなったら、裏返して、反対側も同様に落とします。
鱗を落とすときのポイント
鱗落としの前に、塩を魚につけて少し揉み、水洗いしながらタワシで表面のぬめりを落とします。この方が、より魚臭さを減らすことができます。また、力を入れすぎると大事な身が傷ついてしまうので、軽い力で削ぐようにしましょう。
鱗を落とすのに便利なアイテム
魚の鱗を落とす時は、包丁の背でも取ることができますが、細かい場所などは、鱗取りの方が取りやすいです。こちらの商品は、身に残った骨も取ることができるため、おすすめです。
また、こちらの鱗取りも、鱗がはがれやすい!鱗が飛び散らない!と人気な商品です。汚れや臭いがつきにくく、水の切れが良くなる光触媒加工が施されているので、買って損は無しです。
ホウボウの捌き方をご紹介②肛門と胸ビレ前方に切れ目を入れる
頭を落とす前にちょっとした一工夫をすることで、後処理が一気に楽になります。鱗を削った後は、肛門と胸ビレに切り込みを入れましょう。
肛門前方と胸ビレに切れ目を入れる
尻ビレの付け根の黒くくぼんだ所が肛門です。この少し前あたりに、横に切れ目を入れます。そのあと、胸ビレの付け根から斜めに、胸ビレが包丁に乗るイメージで、軽く内臓が見えるくらいまで切り込みを入れます。
どうして切れ目を入れるの?
あとで頭を落として引っ張った時に、内臓がそのまま取り出すことができるため、卵などが入っていた場合に傷つけなくても済みます。ホウボウの卵も非常に美味しいので無駄にしないようにしましょう。
肛門と胸ビレに切れ目を入れるときのポイント
肛門と胸ビレに切り込みを入れる場合はどちらも軽く、包丁を入れてるのがコツです。ここで内臓を潰してしまったら後々生臭さが残ってしまったり、後処理が面倒になってしまいます。あくまで身だけを切るイメージで捌きましょう。
ホウボウの捌き方をご紹介③頭を落とす
いよいよ頭を落とします。この場合は、普通に、ダンッと下まで切り落とすのではなく、内臓も一緒に取り出す方法なので、間違えないようにしましょう。
頭を落とす
胸ビレの切り口からエラの付け根に刃を当てて包丁を入れます。中骨に刃先が当たったら一度止めて、裏返し、反対側も同様に切り込みを入れます。反対側も、中骨に刃先が当たったら、刃先を垂直にし、頭を切り落とす要領で、そのまま横に引っ張って、内臓を出します。