ただし、天ぷらにする場合は新鮮なマナガツオだけにしましょう。衣をつけて揚げるので中に香りがこもります。新鮮なマナガツオであればとても香ばしくいい香りがして食欲も増進されることでしょう。ですが逆だと半減してしまいます。
ムニエル
ふわっと香るバターの香りの中にしっとりと焼きあがったマナガツオの身・・・想像するだけで幸せなきもちになります。ムニエルの場合にも身だけの状態にしてから調理しましょう。
ポイントはマーガリンなどではなく、バターをつかうこと。そして温度です。バターはフライパンに熱し始めると状態をどんどん変えていきます。まず溶けます→どんどんあわ立ってくる→泡が小さくなってくる→泡が無くなり色づく。と言った具合です。その泡だって小さくなりかけを狙います。
そのたっぷりの泡の中で粉をつけたマナガツオを焼きましょう。両面が黄金のような輝く色にやければ成功です。そのあとはレモンを少し絞っていただきましょう。
マナカツオさばき方
では肝心のさばき方について詳しくお伝えします。マナガツオの特徴は身は柔らかく骨も比較的柔らかいことです。ワタやエラを取り除けば格段に長く保存することができるようになります。ポイントを抑えながらチェックしていきましょう。
手順①流水で流しウロコを取る
まずウロコをとります。うろこというと、びっしりついていてなかなかとれない!もうやだ!となるような光景を想像する方もいらっしゃるかもしれません。ですがマナガツオのウロコはあってないようなもの。
というのもウロコはとても小さくさっととることができます。(というかほとんど取れている)流水で流しながら確認程度に包丁の背でなでます。これで完了です。このときにひれも落としておくとこの後の作業も楽になります。
手順②エラとワタを取り血を洗う
つぎにエラと一緒に頭を落とします。頭のすぐ近くにあるひれの内側を真っ直ぐ垂直に落とします。そうすると一緒にエラも取り除くことができます。そして、内臓を指でかき出します。中を綺麗に水洗いすれば完了です。
手に入れたときにまだワタが入っているのであればすぐに取り除いて処理しておきましょう。そうすると、腐敗するのを遅らせることができ、硬直状態から、少し置いてほどけたころに頂きたい場合には必要な手順となります。
手順③三枚におろす
三枚おろしをしたことのある人でしたら想像がつくでしょうが、マナガツオは一味違います。骨まで柔らかいので勢い余って上の身と卸したいのに下の身に到達してしまうことがあります。とても注意が必要です。
腹から包丁を入れてすっと引いて切ります。ギコギコとのこぎりのように動かしてしまうと身割れの原因にもなるので気をつけましょう。中骨まで到達したら背を手前に持ってきてまた中骨まで切り込みを入れます。その後尻尾の近くで貫通させて頭のほうに包丁を動かして身を切り離します。反対を向けて下の身も同じように行います。
マナカツオのさばき方を動画でチェック!
とても分かりやすい動画があったのでYouTubeから紹介しましょう。身の柔らかさなどダイレクトに伝わりますか?ぜひ1尾丸ごと手に入れた際にはさばいてみるのもたのしいですよ。
マナガツオは通販で買える
マナガツオは通販でも手に入れることができます。いまやネットで手に入らないものはほぼない時代です。ですが生ものですので鮮度がきになりますね。その点も踏まえて、優れた商品を紹介します。
マナガツオの西京漬け
西京漬けは淡白な魚にはとても相性のいい商品です。京都の西京みそ(白味噌)に漬け込むことによって、麹の芳醇な香りを含ませて、焼き上げるとふっくらしっとり。そして焦げ目は香ばしくいただけます。
一人分ずつに分けられていることも多く、骨も取り除いてある商品がほとんどですので、そのままパックをあけて焼くだけという手軽さ。そして味は本格派というすばらしい商品です。もともと保存食であることから鮮度の心配も無く、冷凍の商品もあるのでストックしておくのもおススメです。
マナガツオのフィレ
西京漬けと同じように、手軽にマナガツオを試してみたい方はフィレでの購入はいかがでしょうか?フィレは既にさばいてある状態なので、天ぷらや焼き物にする場合にはとても重宝します。
また、もともと味はついていないので、自分の好みの味付けにできることは嬉しいですね。マナガツオ自体が高級なため、フィレになると手が加わる分またすこし高価になりますが、魚をおろすのが苦手な人にはおススメの商品です。こちらも冷凍の商品が大半ですので、鮮度にも安心感があります。
マナガツオの真空
また、空気に当てないことで酸化を防ぐ真空パックになっているものもあります。普通に保存しているよりも長期間保存できることがメリットです。そのままのフィレの状態で真空になっている商品は一般では探しにくいのですが、先ほどの西京漬けが真空パックになって販売されているので購入することができます。
また、市場直送の商品でその日に釣れた魚の下処理だけしてくれて真空パックで送ってくれるところもあります。マナガツオのよく釣れる旬の時期では混ざっていることもあるかもしれません。
マナガツオに似た魚
マナガツオについて、少しずつお分かりいただいてきたかと思います。関西きっての高級魚ということ。そして、その値にあった本当に美味しい魚だということです。
高級魚と言えばいろいろな種類がありますよね。とても普段から手が出る代物ではありませんが、ちょっと贅沢したいとき。お店に行ってメニューで頼めるときに知っておくといい魚を紹介します。
しまあじ
比較的日本料理店で目にする中に「しまあじ」という高級魚があります。皆さんも聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。しまあじは小柄ながら信じられないような強い旨みを持っています。
d刺身で出されることが多いのですが、他の調理法でもおいしくいただけます。マナガツオ同等に高価ではありますが、食べてみる価値があると自信をもっていえる魚です。身はマナガツオよりもハリがあり、新鮮なものは歯ごたえすらあります。その締まった身のなかにぎゅっと凝縮された味は一度食べればとりこになるでしょう。
食べるべき高級魚「しまあじ」についての記事はこちら
アマダイ
そしてもうひとつ、身の柔らかさが似ている魚と言えば、アマダイです。アマダイもマナガツオと同じくとても旨みを持った魚です。淡白な味、下に寄り添うような柔らかな身が特徴です。ピンクに輝く身体もとても美しく、そのまま刺身で頂いても、焼いても美味しくいただけます。
柔らかな身の「アマダイ」の記事はこちら
舌鼓を打つマナガツオをぜひ堪能してください
さて、マナガツオに興味を持っていただけましたか?高級魚ということで、手に入れるのにはハードルは高いかもしれません。関西の方や、初夏に関西に旅行などで行く方は、ぜひ味わってきて欲しい魚です。
季節を感じれると共に、上品なその旨みに舌鼓を打つこと間違いなしです。他の魚とは一線をひく味。そういっても過言ではありません。焼いても、煮ても、上げても、そのままでもたくさんの調理法で楽しんでください。