火打石を使ってみよう!火起こしから焚き火を育てる方法やファイヤースターターもご紹介

火打石はマンガや時代劇の中だけのものではありません。実際のキャンプで火打石を使って火を起こし、焚き火を育てるのはキャンプの一つの醍醐味でもあります。この記事では火打石での火の起こし方から焚き火の育て方までをご紹介していきます。

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火打石とは?|ロマンある火の起こし方の必需品

火打石とは、鋼鉄片で出来た火打金と打ち合わせて火を起す時に使用する硬い石の事です。2つで出来た火花を元に火種を作る手法を「火花式発火法」と呼称されています。素材は様々なものが組み合わさっており、日本とヨーロッパなど、国々で使われる素材が異なります。

ライターやマッチ等の登場により現代では子供でも簡単に火を使用出来る世の中になりました。その為、現在は火打石という名を殆ど耳にする事は無くなりましたが、一昔前は一般的に使用され、発火の行為事態が様々な意味合いを持っていたのです。

火起こしのアイテム

燧石(ひうちいし)という名で石器時代には石器の材料として用いられていた石は、江戸時代になり今の名で発火の道具に用いられるようになりました。単純に昔はガスや電気等の発火の原動力が発見されてなかった為、一般的に使用されていました。

厄除けのアイテム

昔は、清浄なものと信仰する文化があり、火花をおこす事を「切り火をきる」といい、魔除けの道具やお守り、身を綺麗にする等の効果があると信じられてきました。その為、現在でも落語家や演芸の世界では、毎朝切り火をする風習が脈々と受け継がれています。

縁起物のラッキーアイテム!

江戸時代の西日本では、原料の硫黄から「硫黄=祝う」に通じ礼物としての役割がありました。また、旅行や軍事用に持ち歩く習慣があり、持ち運ぶ入れ物で身分やステータスのシンボルとして表される事もありました。

火打石で火を起こすメリット

現代では簡単に発火が出来る為、現代の力を利用するのも1つです。その為、火打石で発火する事は「カッコいい、ワイルド、昔を重んじて」だけと勘違いしている人いますが、それだけではありません。ここでは、メリットを幾つか挙げて行きます。

濡れていても火がつけられる!

旅やキャンプに行った時に特に山であれば急に天候が急変し雨に降られる事はあります。そんな時に役に立つのが、火打石での発火です。雨や湿気が多い日も関係なく火タネを作り、料理や焚火等が可能です。

持ち運びに便利!

持ち運びに大変便利で収納も行いやすく、旅等の荷物が多い際には非常に便利です。最近では、軽量化、小型化共に進んでおり、キャンプ等のアウトドアに行く際は1セットだけでも常備しておくと良いでしょう。

火打石で火を起こせる仕組み

無知な一般人が発火のやり方を聴衆すると石片と石片の摩擦で発生させると回答するでしょうが、半分正解で半分不正解です。確かに2つの石を使用しますが厳密には片方の石の素材を削りとり火花を発生させます。

火打石と火打金

前述したように、2つの石「火打石」と「火打金」をスパークさせる為には必要となります。火打金は東日本では火打ち鎌と呼称される事もあります。難易度が高い手法で作成された鋼で作られています。これも様々な形のものがあり、縁起物等で持ち歩かれていた事もあります。この2つを使用しスパークを起こします。

火を起こす原理

2つを衝突させ火を発生させますが、ただ闇雲に動かしても何も出現しません。力の伝え方等、コツが必要ですので、度重なる練習は重要ですが、原理は火打金の角(鋭利な部分)で火打石に摩擦を加え、物質を削ぐ感覚でしっかりと確実に動かし、スパークを発生させます。

素材を削ぎ落とす際の注意点

注意点はいくつかありますが、一番は火打金の角を使う事が大切です。丸みの部分をいくら合わせても素材に伝わる力は弱くなってしまう為、鋭利な部分で所謂、一点集中で力が分散しないように留意し打ち合わせます。

火打石の最新版ファイヤースターター、メタルマッチとは

ファイヤースターターは現代の火打石の呼び名です。マグネシウム素材とそれを削りとる道具がセットになっているアイテムです。マグネシウムを削りとり、火花を起こさせる現代の切り火方法です。ちなみにメタルマッチとファイヤースターターの別名です。

火打石で火を起こす前に下準備をしよう

屋外等のレジャーで焚火をスタートさせるには、ある程度の準備が必要です。どのような用途で発火させるかにもよりますが、下記に下準備について必要なものと用意する方法についてまとめたものを紹介します。

最近ではソロキャンプを大いに流行っています。現地では中々最適な石が見つからない、自然石の使用は禁止、かまどを作るのがめんどくさいと思う方向けにおすすめ焚き火台についての記事を下記に紹介します。

①まずは発火に必要な環境

火種を出来ても外部環境に起因し、直ぐに鎮火する事もあります。なので屋内外共に、かまど等の風を遮断し且つ、煙の逃げ場がある環境を作ってあげる必要です。今では、持ち運びが出来る軽量なものもありますし、現地の石で作る、キャンプ場等では、貸し出し又はセッティングしてある場所もあります。

②材木集め

火種を育てるには何段階かのプロセスを踏みますが、火を炎へ拡大させるには木に移行させる事が重要です。その為、現地(キャンプ場等)の販売所で購入するのが簡単ですし、落ちてある木を調達し代用しても良いです。注意ポイントは、必ず乾燥状態かを条件に出来るだけ均等なものを選びましょう。

③かまどと薪の使い方

かまどを一から作成する場合、周辺の石を採取(出来るだけ均等な石)を酸素の侵入を考慮し、CかUの型に並べ火床を作成します。そこに、火が移行し易い物質から下にし大きな木になるにつれ上に重ねます。必ず酸素が入りこむ隙間を作る事が大切です。

その他キャンプやレジャーを満喫する為にあれば便利なグッズを下記でご紹介いたします。持っていけば必ず助けになってくれる物ばかりで、ワンランク上のアウトドアが楽しめること間違いないでしょう。

火打石の使い方:火を起こしてみよう!

まず、火種を作るには、火口(ほぐち)という物を使います。原材料は、綿やツバナ等で出来た着火材になります。下記に火口を使用しながら切り火の手順や種が出来るまでの手順について解説します。初心者は難易度は高いですが手順を参考に練習しましょう。

①火打石と火打金、火口の使い方、持ち方

持ち方としては、片手(利き手に)動かす方の火打金を、もう片手(非利き手)に当たる側の火打石を把持します。火打石を持っている側の親指で火口を軽く把持、金の角でカチンと打ち火切りを行い火口に着火させます。

②火口を拡散

上手く火口に発火出来れば、鎮火させないよう移していきます。発生した火口に麻ヒモ(発火しやすい材料で構成だれたヒモ)に移動し、おがくずや枯葉、新聞紙等に伝えます。ここまで出来れば第一段階はクリアです。

火打鎌を使って安全に火起こしを

火打鎌は持ち手で把持しやすく、刃も真っ直ぐなため初心者にも比較的取り組みやすいです。ただコツは、エッジを効かせる事が大切なので、スパークさせる練習をしておく事をお勧めします。現在ではフャイヤースターターを導入する事も考慮しましょう。

動画でやり方を確認しましょう

その他、原始的な火起こす方法

サバイバルで良く見る、火を起こす時をする方法としては火打石だけではなく錐揉み式発火が有名です。正式には、摩擦式発火法という手法で最も原始的で、野外活動の原点です。自宅からナイフ1本を持参するだけで実施できます。材料は、厚手の枯葉、針葉樹の枝、まっすぐな棒だけなので一度試してみてはいかがでしょうか。

焚き火の育て方

火種が出来上がると、火を炎へと拡大させていく過程に移行します。火の成長は良く人間に例えられます。幼少期を経て、少年期、青年期と大人に成長する過程を踏んでいきます。我が子と同じ感覚で成長させていきましょう。

①細めの木に火をつける

まずは小さい火を鎮火させない事が大切です。火はまだまだ子供なので大きい木を近付けても付きません。なので芯が細い枝や割り箸、現地で調達出来るのであれば松ぼっくりなども燃えやすいです。ここで重要なのは、水分が失われている乾燥した状態の物でなければなりません。

②太目の木に順に火を広げていく

①に着火出来、火が安定してきた所で徐々に太目の木を燃やしていきます。この段階で急に入れすぎると消えてしまいますので、空気の通り道を作るように、火元を潰す事がないように設置していきましょう。十分に炎を拡大させ次の段階へ。

③薪をくべる

②までくれば後一息です。人間でいうと少年期から青年へと登っていくだけです。乾燥した薪を大胆にくべていきます。②の段階である十分に炎は強くなっているので、ここは躊躇なく投入し、決して火元は潰す事がないようにしましょう。最後は、一本ずつ、鎮火させない為に薪を入れていきます。

火の育て方/パターン①

上記の段階の際に木に素早く炎が移りやすいような組み方をする意識します。炎を拡大させるには材料だけでなく酸素が必要です。逆にいうと二酸化炭素が火元に充満してしまうとすぐに鎮火してしまいます。ここでは、先ほど説明した段階に合わせた設置方法を2パターンについて説明します。

①細めの木の置き方

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