致死性の毒を持つ「スベスベマンジュウガニ」が小さくてかわいい!食べなければ危険じゃない?

同じ毒を持つフグでは、例年、数名の死亡事例が報告されています。しかしテトロドトキシンも麻痺性貝毒も麻痺による呼吸困難が死亡原因になるので、人工呼吸器による呼吸確保その他の適切な処置が速やかになされれば確実に回復が見込める中毒です。万が一、中毒の疑いがある場合は速やかに医療機関に駆け込みましょう。

何のために毒を持っているの?

正確なところはいまだ謎

毒を持っていれば、外敵に襲われにくくなるといった効果が期待されますが、甲殻類をエサとして好むチヌ(クロダイ)などは、スベスベマンジュウガニも平気でエサにします。また、スベスベマンジュウガニも含むカニの仲間は、外敵に襲われたときに、自ら脚を切り離して、その間に逃げる「自切」という行動をすることがあります。

もし自らの防御のためという明確な理由で毒を持っているのであれば、有毒のカニと無毒のカニで、この自切行動の行われ方に何らかの差が出ると考えられるのですが、スベスベマンジュウガニの自切の頻度や割合は、ほかの無毒のカニとあまり変わらないという調査結果があり、彼らが毒を持つことの意義は、実は正確には分かっていません。

スベスベマンジュウガニは飼育できる!?

ペットショップで購入可能!

見た目は小さくてかわいらしいものの、実は恐ろしい毒を持っているスベスベマンジュウガニですから、ほかの水生動物のようにアクアリウム飼育など思いもよりませんが、実は水生動物を扱うペットショップでも販売されており、立派な飼育対象とされている生き物です。

また、その気になれば、生息地の岩場のある海岸で、自分で採集することができますし、ペットショップが近隣にないという場合でも、ペットショップによっては生体通信販売で扱っているところもあり、入手すること自体、そう困難な生き物ではありません。

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