キハダマグロの生態
キハダマグロは、スズキ目サバ科に分類されるマグロの中では中型種の魚です。成魚で大きなものは全長200~300センチで、体重200 kgに達する個体もいます。日本近海産は熱帯産よりも小型とされ、平均サイズは20〜30キロくらいです。大きいものでは、全長1.5 m、体重70 kgほどの個体もみられます。
エビやオキアミ、イカ、アジ、イワシなどの小魚を餌にし、群れで行動し、日本近海や温帯から熱帯海域に広く生棲しています。メバチマグロと漁獲される漁場が同一であり、第二背びれと尻びれが長いのが特徴です。また、体や背びれ、尾びれが黄色いことがキハダマグロという名前の由来でもあります。
キハダマグロの旬・分布
キハダマグロの旬
日本で水揚げされるキハダマグロは8月ごろが一番脂がのって美味しい旬の時期となります。冷凍ものは旬の時期に関係なく、世界中から1年を通して輸入されるため、旬以外の時期でもおいしく食べることができます。
あっさりとした味わいが特徴のお魚ではありますが、初夏に味わうキハダマグロは、脂がのり格別な味わいです。20キロを超えるサイズが暖かい黒潮にのり相模湾を回遊するため、例年6月から9月頃、夏の風物詩としてルアーやコマセで狙うキハダマグロが釣りを楽しむことができます。
キハダマグロの分布
全世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布しますが、地中海には分布しません。日本では、キハダマグロは主に静岡県や宮城県、高知県、宮崎県、鹿児島県などの太平洋側に生息し、水揚げされています。北海道以南でも見られますが、伊豆諸島以南の太平洋側に多く、日本海側での生息は稀とされています。漁法は延縄や巻き網といった遠洋漁業が一般的となります。
キハダマグロの釣り方とタックル・ルアー
船でキハダマグロが回遊してくる沖まで出て釣ります。キハダマグロを釣る方法一番簡単な仕掛けとしてはオキアミを利用したコマセ釣りです。ルアーフィッシングとしては、ジギング、村越正海氏が開発したエビングと呼ばれるコマセ付いたキハダマグロを狙うために天秤にジグ、ワームを組み合わせた独特の仕掛けでの釣りも人気です。コマセ釣りとルアー釣りとタックルについて紹介します。
キハダマグロのタックル・ルアー① コマセ釣り
ロッドは1.5~2.5メートルのキハダマグロ専用竿や大物用竿も使えます。ワンピース専用ロッドがキハダマグロのパワーにも対応でき安心です。リールは電動、または手巻きの大型両軸どちらでも構いませんが、手持ちが可能なサイズであることと、パワーと耐久性、ドラグ性能とともに、頑丈なものを選びましょう。バットに充分な強度がありながらも穂先は柔軟さがあるものがおすすめです。
付け餌のオキアミを漂わせ水深30〜60メートルあたりを探ります。PEライン8号を300メートルほど巻き、仕掛けを素早く落とすことができる80〜100号のコマセ缶を使用し、誘導式の大物用天秤に一本バリ仕掛けで狙いましょう。
ダイワ(Daiwa) ゴウインブル HHH-220
充分なパワーと強度がありながらも穂先は柔軟さがあるロッドです。耐久性に優れた軽量アルミシートとカーボンバットは高いフッキング能力と大型魚も楽にコントロールできます。強度に優れたHBガイドを使用しています。感度が良く、アタリ、魚の食い込みまでが瞬時に手に伝わります。長さのあるHH-220であればコマセワークも問題ありません。強さと粘りを持ち合わせたロッドです。
SANY(サニー商事) 青物バスター 80号
プラスチック製のコマセカゴです。コマセが密に撒けます。シンプルな構造で使いやすいです。
キハダマグロのタックル・ルアー② ルアー釣り
フローティングと呼ばれる誘い出し系のルアーとシンキングと呼ばれる沈下系ルアーを、揃えておくと安心です。表層や、ルアーを沈めて、中層を狙います。ロッドは8フィート前後の専用モデル、またはルアーウエイト100グラム対応のパワーがあるものを選びましょう。
メタルジグをスムーズにしゃくり続けられる軽さと強さを併せ持った5.5~6.5フィートくらいのジギングロッドもおすすめです。リールはドラグ性能に優れるものを選び、PE4〜5号を300メートル以上巻ける大型スピニングでドラグ性能に優れるものを選びましょう。
SHIMANO シマノ オシアプラッガー フルスロットル S83H
大物ターゲットを想定したパワーロッドにも関わらず、反発力に優れ、しなやかなロッドです。キャスト性能は100g前後のプラグを軽快に遠投でき、大型サイズでも引き寄せる強靭なトルクを秘めています。波風が強い状況下でも正確にプラグを操り、シマノ独自の技術で、軽さは維持しながらも、強靭なパワーでターゲットをしっかりねじふせます。また、糸抜けが良くトラブルレスのガイド設定です。
キハダマグロ釣りルアーの選び方
マグロを釣るためのルアーは大きく分けると、誘い出し系と沈下系に分けられます。水面に浮くフローティングタイプが誘い出し系とされ、水中に沈んでいくシンキングタイプが沈下系とされます。それぞれ、状況によって使い分けます。
フローティングタイプと沈下系の使い分け
フローティングタイプはキハダマグロがマイワシやトビウオ・サンマなどの大きいサイズのベイトや、広範囲にベイトを追っているときに使用します。ルアーを泳がせ、誘い出します。イワシが表層にかためられたときに、表層で動かさずにしておきます。
沈下系はその名の通り、沈んでいくタイプのルアーで、キハダマグロが小型のイワシなどのベイトを食べっている時や、イワシのナブラが湧いている時には、沈下系ルアーをナブラ周辺にキャストし、キハダマグロを誘います。
キハダマグロ釣りおすすめリール
キハダマグロ釣りにおいて一番悩むのがリールではないでしょうか。手巻きは釣り人のパワーや体力が必要となります。キハダマグロの最大の魅力である引きの強さも長期戦となるとかなりのパワーや体力が必要です。電動リールは、体力の消耗を軽減し、キハダマグロと軽快なファイトを楽しめます。リールは、力強く豪快な走りに耐えられるものを選びましょう。最低でも使用ラインが300メートル以上巻ける大きさのリールを選ぶ必要があります。