メバルの基本情報
漢字で「目張」と書き当てられるように目が大きく、かつ視力がいいという身体的特徴と小魚や小エビなどの甲殻類を食べる肉食性という特徴があります。また魚には珍しい胎卵性で1度に数千匹もの稚魚を産み落とします。ここではさらに生息場所や釣れる時期、身の特徴について掘り下げていきます。
生息場所
浅い岩場や海藻が生い茂る場所を好んで生息しています。がしかし近年の研究によってメバルはクロメバル、アカメバル、シロメバルの3種類に分類され、それぞれで生息している場所も変わることが判明しています。よって狙う種類が決まっている際は釣り場所を選定すると効率的です。こちらの記事には3種ごとの特徴の詳細が紹介されています。
釣れる時期
一年中釣ることができますが釣果を重視したいのであれば海水温を1つの目安にすると答えが出ます。メバルの生育に適切な海水温は9度〜20度、その中でも16度辺りがもっとも活発とされていることから11月から3月までが釣りに最適な時期といえます。逆に海水温が高い夏場は動きも鈍く思うような釣果が得られません。
特徴
釣れるサイズや市場に出回るサイズは一般的には20センチ前後のものが多いです。一方で主に沖の方では35センチ近い大物も潜んでいます。がしかし美味しいとされるサイズは17〜18センチ程身で脂の乗りも抜群です。身は淡白な白身で刺身だと非常にきれいな透明感を持っています。熱を入れても身離れが良く硬くなることもありません。
メバルを締める
釣り上げたメバルは活き締めにするとしないとでは調理した時の味の良し悪しに大きな影響を及ぼします。活き締めにすることで死後硬直を防ぎ良好な鮮度を保てます。さらにエラからナイフで腹膜を切り延髄を断って血抜きをすると鮮度維持の効果は確実です。
神経締めの方法
- 側線を意識します。側線は背骨上部に沿って走る水流などを感知する器官のことです。体表面を良く見ると線が見えるのでまずは側線の位置を把握します。側線の位置と神経の位置はイコールとして捉えます。
- 神経締め専用のワイヤーを入れやすくするため眉間にナイフかハサミで切れ込みを入れます。メバルは眉間の少し上を目安にします。
- ワイヤーを挿入していきます。コツは神経に対して真っ直ぐ入れること。少しでもずれると入りが鈍くなるので都度位置を調整しながら入れます。
- あるところまで入ると魚が一瞬波打つように暴れます。神経締め完了の合図です。
以下の動画にも詳しく紹介されています。
捌く時はトゲに注意
各ヒレにトゲがあるので捌く際には細心の注意が必要です。個体や捕獲地域にもよりますが背びれなどに微量の毒があるとされ刺さると数日間腫れを伴った痛みを伴うことがあります。事故を未然に防ぐためにも参考にしてください。
危険を取るか見た目を取るか
捌き方は他の魚と変わりません。背びれや尾びれなどトゲのある箇所に気をつけながら捌くことになりますが、もしもの為に軍手などをはめておくのをおすすめします。未然に防ぐために予め各ヒレを落としてしまうのも手段の1つです。しかし調理をした時の見た目は圧倒的に悪くなってしまいます。
ヒレを落とす便利アイテム
包丁で落とすこともできますが、より確実と安全を取るためにこちらのハサミを使用するのもおすすめです。包丁よりも力の入れ方も簡単で負担が軽くなります。念入りにという方はハサミを使うときもメバルを抑える際に滑りにくくするためのタオルを当てたりするという方法もあります。
メバルの美味しい料理 オススメは煮付け
メバル料理の中でもっとも美味しいとされポピュラーな調理法です。下処理と熱の入れ方さえ守れば甘辛い煮汁が染み込んだふっくらとした白身を味わうことができます。言うまでもなく白飯や日本酒にもよく合います。
煮付けを美味しく作るコツ
料理を美味しくするためには一手間がとても大切です。手間を聞くと面倒という言葉がどうしても連想されてしまうものですがこれから紹介するコツはどれも簡単なものばかりです。時間が無いという方はせめて落とし蓋や生姜など、準備するだけで済むものを優先的に試してみてみましょう。
霜降りと洗い
90度近くまで熱したお湯をボールに入れたメバルにかけます。全体が白くなったら手を入れても熱くない程度まで水を入れます。丸ごとメバルを使用する場合は腹の中をきれいに指を使って洗います。血合いなどを掃除することで霜降りをしない場合に比べて格段に生臭さを感じることのない仕上がりになります。
落し蓋
煮込む時に落し蓋を使うだけで身全体に味が回りやすくなります。落し蓋がない場合はキッチンペーパーやアルミホイルでも代用可能なので必ず落し蓋をするようにしましょう。ムラなく味が染み込むため安定感のある仕上がりになります。
生姜
酒にも生臭さを軽減してくれる効果はありますが生姜を入れるとさらに効果的です。また煮汁にも生姜の香りが移るため風味に奥行きが出ます。量の目安はメバル1匹に対して薄切りの生姜を一欠片で十分です。煮汁がほどよく煮詰まった頃が入れるタイミングです。こうすることで生姜のエグ味が出ず香りだけを煮汁に移すことができます。
たまり醤油
普通の醤油でも十分ですが、こだわりたい人は分量の半分をたまり醤油にすることをおすすめします。とろみと濃くがもっとも強いたまり醤油を使用することによって味にコクが出るほか、仕上がりにツヤも出ます。味も見た目も格段に良くなるので試してみてください。
強めの中火を約10分
せっかくの素材も煮過ぎることで身がパサパサになってしまいます。火力は強めの中火、時間は約10分が鉄則です。これを意識してあげることでふっくらとした口当たりの煮付けに仕上げることができます。10分という時間だけを見れば煮付けはコツを掴めば忙しい時にも使える手頃な調理法です。
煮付けのレシピ
- 霜降りをしてぬめりや血合いなどを取り除きます。完全じゃなくても大丈夫です。
- 鍋に水(昆布のだし汁だとさらにいいです)、メバルを入れて強火にかけます。
- 沸騰する前に酒を入れる。酒を入れてから蒸発させることで臭みも一緒に飛びやすくなります。
- 煮立ったらアクを取り除きます。
- 砂糖を加えます。コクを出したい時はザラメ糖がおすすめです。
- 約90秒ほどで味醂、醤油を加えます。この際、醤油の分量の半量をたまり醤油にすると味の深みが増します。
- 中火にし、落とし蓋をして約8分ほど煮込みます。
- 生姜を加えます。外に出ている部分に煮汁をかけながら仕上げていきます。
煮付けにおすすめの調理器具
魚をひっくり返す時や皿に盛り付ける際に菜箸や一般的な形状のフライ返しでは安定もせず神経も使います。幅の広いターナーだと形を崩してしまう失敗も解消されます。値段も高いものではないのでメバルに限らず煮魚を作る機会の多い人には1つ持っておくと非常に便利なアイテムです。