オニイソメとは
世界中の暖かい海に生息しているオニイソメは日本でも見ることができる身近な生き物です。しかし寿命や生殖行動など未だ謎に包まれている部分も数多く残されている生き物です。ここでは生息場所や性格について紹介します。
海底に生息する多毛類
海底の砂地や土、岩礁やサンゴ礁の多い場所に潜むように生活しています。体全体を砂や穴から出すことは滅多にありません。体の色は茶色がメインで節々に金属色で七色の光沢がみられます。多毛類というと聞きなれない方もいると思いますが釣り餌でよく使われるイソメと同じ仲間です。イソメについてはこちらの記事がおすすめです。
大人しそうに見えて実は攻撃的
ミミズのように細長い姿や身を隠すようにして生活する習性は大人しそうなイメージを連想しますが実際はとても獰猛です。特に獲物を捕獲する姿はホラー映画やSF映画に出てくるクリーチャーのようで狂気に満ちていて見る者を圧倒します。
自分より大きい獲物を捕まえる
強靭な顎の力を1つの武器として自分より大きい個体にも平気で襲いかかります。顎の強さはサンゴ礁をも砕いてしまうほどのパワーを持っており、魚にも1度噛み付いたらなかなか離すことはありません。そして一瞬のうちに自分のテリトリーへ引き込んでしまいます。こちらの動画には大きな魚を瞬時に引きずり込む様子が映されています。
オニイソメの恐ろしい見た目
か細い姿からは想像し難いほど特に頭部の容姿は迫力があります。獲物を待つ形相はエイリアンそのもので凶暴な性格を物語っています。そんな特徴的な頭部についてもう少し詳しく見ていきましょう。
鋭い歯を持つ
確実に突き刺せる鋭い歯、その歯からは麻酔にも似た毒を分泌するとも言われており自分より大きな魚を捕獲するための一撃必殺の武器となっています。平気で人間にも噛み付きますが1mにも満たない個体に噛まれてもそこまで危険性はありません。ただし言うまでもなく痛みは伴うので発見した際は注意がしましょう。
5本の触覚がある
砂地や穴から出た頭部には5本も触覚があり、それらを広げるようにして獲物が上部を通過するのをじっと待っています。触覚は相手の位置や距離感を認知するセンサーの役割を果たしておりロックオン後は一瞬の速さで噛み付きます。相手に逃げる隙を一切与えません。
とても長い体
まだまだ生態に謎も多いオニイソメですが個体の大きさは優に1mを超えるとされており日本では和歌山県白浜町で全長3mにも及ぶ個体が発見されています。イソメの大きいものでも30センチほどなので非常に長いのがよくわかります。
オニイソメはどこにいる?
気性が荒く見た目も恐ろしいので願わくば遠い存在でいてほしいものですが残念ながら日本にも生息しています。さらにアクアリストによっては同じ屋根の下で暮らしていたなんてことも可能性として十分にありえる存在です。
世界中の暖かい海
温暖な海水温を好むので暖かい海であれば太平洋・大西洋、インド洋など世界中の海に生息しています。場所は浅瀬や深いところなどさまざまです。水深40mという光が届かないような深海で暮らしている個体もいます。
日本にもいる
日本でもオニイソメを確認することができます。沖縄や九州沿岸、本州だと湘南など比較的関東以南での目撃談が非常に多いのが特徴です。磯遊びをしていたら発見したというエピソードもあります。
水槽に現れることも
海外の水族館では水槽の魚が死んだりサンゴが傷ついたりすることがあり水槽を解体してみたらオニイソメがいたという話があります。アクアリストが所有するような家庭レベルの水槽でも同じような事象は当たり前のように存在します。その対処法や予防法についてはこの後詳しく紹介します。
どうして水槽に現れるのか
自分で入れた覚えなどないのに一体なぜオニイソメが水槽に現れるのでしょうか。そしてなぜすぐにその存在に気づけないのでしょうか。ここではそんな疑問に答えていきます。水槽に入れるあるアイテムとオニイソメの習性がキーとなります。
ライブロックに付着している
ライブロックとは死んだサンゴの表層面にバクテリアや無脊椎動物などが付着したものです。水槽に入れることにより自然下に近い水質環境をもたらす効果があり水族館やアクアリストの間で広く用いられているアイテムです。稀にオニイソメも付着していることがあり水槽内に入り込む一番の原因になっています。
夜行性のため気づかない
夜になると活動を始めるためその存在になかなか気づくことができません。また全身を出して泳ぐわけではないのでなおさら気づきにくいのも。また混入して間もないころの個体は小さいものが多いので存在に気づくのは容易ではありません。
気づかないうちに成長していく
雑食性のため小さいうちは海中のプランクトンなどを食べています。しばらくは魚に被害が出ることもないので水槽内は平和そのものです。がしかしその裏でオニイソメは魚を捕食できるサイズへ着実に成長していきます。
水槽に現れた時の対処法
ある日水槽にオニイソメの存在を発見してしまったという時は言うまでもなく駆除が必要です。しかし手づかみで取り出すなんて考えただけでぞっとします。ここでは駆除の方法とアイテムを紹介します。
駆除が必要
間違ってもそのまま飼育してみようなんて思わないでください。駆除は次の休みでいいやもNGです。できる限り早い段階で取り除きましょう。放っておくといつの間にか魚が一匹もいなくなっていたなんてことになりかねません。
ペッドボトルなどの捕獲容器を使う
直接触れるのが苦手な方は捕獲容器にペッドボトルを用いてみましょう。使い方は簡単です。ペッドボトルを水槽の底に沈めるだけでオッケーです。ただし即効性はあまりまりません。運良く入ってくれるのをひたすら待つ、そんな対処法になります。