ロケットストーブを自作してみよう!初心者でもできる4種類の材料別作り方をご紹介!

ここからはメカニズムについてご説明します。このストーブのメカニズムを理解するのに重要なポイントは上昇気流をどのように効率よく作るかとその力を利用していかに安定した空気の流れを作れるかです。

燃料は薪はもちろん公園に落ちている細い枝から使い終わった割りばしまで実に様々な種類のものを使用することができます。ざっくりとした値ですが、乾燥した木材3kgを完全燃焼させた際に生じる灰の量は200g以下と非常に少ないのもロケットストーブの特徴です。

1.着火

焚き口に燃料である枝や割りばし、新聞紙などをいれて着火します。ここでついた炎によって枝などの燃料が燃やされるとメタンガスなどといった可燃性のガスが出ます。煙は着火してすぐの間は出ますが安定した燃焼になってくるとやがてほとんど出なくなります。

2.上昇気流とそれによる吸引力が生まれる

可燃性ガスの下には炎があるので暖められた可燃性ガスは上へ上へと昇っていきます。ヒートライザーから温められて膨張した空気(可燃性ガス)が上昇気流となって煙突へと押し出されると内部の気圧が下がるため、この力によって焚き口から新たな空気が外から吸気されます。

3.ドラフト現象が加速する

メタンガスなどの可燃性ガスも煙突内で最終的に二次燃焼という形で燃えてしまうので、それによって得た熱がさらに内部を温め、ヒートライザー内および煙突内の温度はどんどん上がります(出口付近は600~800℃)。

そうすると焚き口付近と煙突の出口の温度差はさらに大きなものとなり、空気は冷たいところから暖かいところへと流れます。燃焼によって生じたガスを勢いよく煙突から排出し、下から新しい空気を吸気するドラフト現象が次々と起こります。

4.安定した空気の流れが生まれる

その結果、人が焚き口で空気を送ったりしなくても焚き口から煙突出口まで安定した空気の流れが実現され、高温燃焼が起こるようになります。ヒートライザーを断熱材で覆うことで熱が下がりにくくなり、燃焼効率を上げるのに大きなポイントとなります。

ロケットストーブを自作するために必要なもの

実際に自作するにあたり、必要なものをこちらで詳しくご紹介します。どの材料をどのように作っていくにしても安全を確保するため作業用手袋は用意し、広い場所を確保して作業に当たりましょう。

ペール缶

ペール缶とは18~20ℓ程度の容量の大きめの金属缶(プラスチックなどもあります)のことです。ペンキや塗料などの液体を入れて使用されています。ホームセンターで1000円前後で手に入れることができます。

一斗缶

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ペール缶は円柱の形をした金属缶ですが,一斗缶は立方体の形をした金属缶です。一斗缶はホームセンターなどでは手に入りにくくなっていますので通販サイトなどで入手するのが簡単です。こちらも1000円前後で購入可能です。

空き缶

この後の項目で詳しく説明しますが写真の様に3つの空き缶を組み合わせて作成していきます。一つは本体になるため他のものより大きな空き缶を準備しましょう。粉ミルクの空き缶や果物の空き缶など家にあるものを使用できるのでコストは低く済みます。

レンガ

レンガを積み上げていくことで作ることもできます。モルタルブロックは安価ですが高熱に晒されると割れてしまうことがあるので、耐火レンガ(200円前後/個)を用意しましょう。レンガは一つ一つが重いので作成後移動させることは困難であることを想定して場所を決めましょう。

煙突

ペール缶、一斗缶のどちらかを使用して自作しようと考えている方は煙突も用意しましょう。用意するのはT字、L型、直線型の3つのステンレス煙突です。これらの直径は同じものにし、つなぎ合わせるためのパイプバンドも必要数用意しましょう。ホームセンターなどで一つ当たり2000円前後で手に入ります。

パーライト(断熱材)

ヒートライザーの断熱に用いるのがパーライトです。土壌改良剤として売られているもので、自然の岩を粉砕して、加熱、膨張させて作られる軽い砂状の素材です。ヒートライザー部分に限定して充填しますので流動性のある砂状のほうが扱いがいいです。こちらもホームセンターなどで50リットル1000円前後で購入可能です。

必要な工具

作成に当たり必要な道具は、金切りばさみ、ニッパー、ベンチ、缶切り、ハンマー、ドリルなどです。金切りバサミは缶を切る際に便利ですのでぜひ用意しましょう。金物を切り取ったりしますのでヤスリもあると便利です。

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