必要な材料は一斗缶1個と3種類の直径106~120㎜ステンレス製煙突(L字型、L型、直線型)、それらを連結するパイプバンド、パーライトです。道具は先ほどご紹介したものがあるといいです。
一斗缶製ロケットストーブ作成の流れ
一斗缶にT字とL型のステンレス煙突を取り付けます。L型のステンレス煙突にさらに直線型の煙突を重ねて接続していきます。煙突の出口が5センチ程度ペール缶上部より出るように調整して煙突部分が長すぎる場合は切断します(または下で紹介する動画の様に余った煙突部分を丸めていくと五徳にすることもできます)。
最後に一斗缶に断熱材を充填していきます。断熱材は軽く舞いやすいので煙突内部には入らないように気を付けましょう。最後に一斗缶の蓋を煙突が通るようにドーナツ型にくりぬいてロケットストーブの蓋にすれば完成です。
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Contents
空き缶で作るロケットストーブの自作方法
最も身近な材料と労力で作ることができるのがこちらの空き缶ロケットストーブです。材料は1号缶と呼ばれる業務用ケチャップやソースが入っているような大きさの缶1つ、フルーツの缶詰であるような大きさの缶が1つ、小さい缶が1つ(大・中・小として説明していきます)とパーライトです。道具は先ほどご紹介したものがあるといいです。
空き缶製ロケットストーブ作成の流れ1
「大」の缶にヒートライザー・煙突部分となる「中」の缶を取り付けていきます。「小」の缶を型にして「大」の缶に印をつけ、その線に従って切り取っていき穴をあけます。「中」の缶にも同じようにして、缶の下側に「小」の缶が通る穴をあけます。
「大」の缶の中に、穴をあけた「中」の缶を置き、「大」の缶の穴と「中」の缶の穴に最後に残っている小の缶が通ることを確認します。「中」の缶と「小」の缶がL字となって「大」の缶の中に繋がっている構造となります。「小」の缶部分が焚き口の取り付けになります。
空き缶製ロケットストーブ作成の流れ2
「大」の缶にパーライトを充填していきます。「中」の缶には入らないように気を付けましょう。最後に「大」の缶の蓋を煙突が通るようにドーナツ型にくりぬいて蓋にすれば完成です。
動画で作り方を確認
レンガで作るロケットストーブの自作方法
レンガを使用した自作方法もあります。こちらで必要な材料は耐火レンガ10~20個ほどです。積み上げる段数によって必要な数が変わるので計画してから購入しましょう。こちらのロケットストーブは何より簡単です。耐火レンガを目的の段数積み上げていけば簡単に出来上がります。
作り方を動画で確認
レンガ製のメリット
メリットは他の材料の作り方と比べても圧倒的に簡便であるということです。工具を必要とせず、耐火レンガを購入し積み上げるだけであっという間に暖房器具を手に入れることができるので災害時には活躍してくれます。
また、大きさも自由に組めますので暖をとりながら煮炊きするなどといった目的に応じて設計してレンガを積み上げていくことも簡単にできますし、レンガ自体が蓄熱性を持つので火持ちもいいです。
レンガ製のデメリット
デメリットは機動力はなく、一度場所を決めるとなかなか移動が大変な点と、レンガという重い物を組み上げて作りますのでモルタルなどを利用せず、ただ積み上げて簡易的に作ったロケットストーブの場合は万が一崩れてしまったときなどの安全面で不安が残ります。
燃料として使う薪について詳しく知りたい方はこちら。
自作ロケットストーブは100均グッズで作れるか
ここまでペール缶式、一斗缶式、アルミ缶式、そしてレンガ式と4つの作り方をご紹介してきました。どれも安価に作ることはできますがもっと安くしかも簡単に手に入るものでできないか検討していきます。
100均グッズならウッドガスストーブがおすすめ
必要な材料はステンレス製のオイルポットとその中に入る直径の貯金箱(〇〇万円貯まる!なんて書かれているタイプのもの)です。工具は金切りバサミと穴を開けるキリやアイスピックなど先端の鋭いもの、そして針金だけでできます。
動画でみる100均製ウッドガスストーブ
ロケットストーブとウッドストーブの違い
ウッドストーブの作りは外側の缶と内側の缶の2パーツのみから構成され、ロケットストーブのように煙突を持ちません。内缶の中で燃料を燃やすと炎と可燃性ガスが発生し、内缶にあけた穴から外缶へとガスが流れ出し、下から温められることで生まれた上昇気流中の可燃ガスが内缶内から出た炎によって二次燃焼を起こす仕組みになっています。
缶の大きさにもよりますが燃やせる燃料の量が限られるため、長時間燃焼し続けることは難しく、さらには燃えているところに追加の燃料の投入が難しことも問題点としてはあります。しかし、安く作ることができ、コンパクトではあるのでお湯を沸かしたりキャンプなどのワンシーンでの短時間の調理には便利な手段です。
登り窯とロケットストーブ
陶芸品に火入れする際に使用する登り窯はロケットストーブとよく似ています。登り窯は名前の通り、炎が低いところから高いところへ移動していく原理をロケットストーブ同様利用したもので、ロケットストーブの本体部分が窯全体と考えることもできます。
登り窯はこの室内をいくつもに仕切られており、各部屋の温度のばらつきを減らし、かつ各部屋ごとに薪をくべれるように設計されています。この登り窯があることで一度に大量に焼成することができます。
銭湯の煙突はなぜ長い?
なぜ遠くからでもすぐわかるほど銭湯の煙突はあんなにも長いのでしょう。これもロケットストーブの仕組みを知ると理解しやすくなります。昔はボイラーや石油燃料がなかったので、あの銭湯の大きなお風呂のお湯を薪を燃やしたエネルギーで沸かしていました。
長い煙突があることで焚き口から大量の空気を安定して取り込むことができ、それによって効率的に薪を燃やしているのです。あの長い長い銭湯の煙突はお湯を大量に沸かすために薪の燃焼効率を上げて、高い熱量を獲得するためには欠かせないものだったのです。
自作ロケットストーブの注意点
せっかくロケットストーブを自作するのですから、楽しく作って安全に使用し、怪我や事故が無いいい思い出にしたいものです。ここからは自作ロケットストーブ作るときや扱うときの注意点をお伝えしていきます。
怪我に注意
作成中は何といっても怪我に十分注意することです。工具の扱いはもちろん、切り取った缶などの切り口はとても鋭利ですので指などを切らないようにしましょう。ロケットストーブを使用中は火の粉や不完全燃焼による有害な煙の吸い込みなどに注意しましょう。
やけどに注意
ロケットストーブの火の扱いとして一番注意しなくてはならないのが煙道火災です。煙道火災とは、煙突内部に付着したタールに引火し、1000℃以上もの高熱、かつ猛烈な勢いで燃える火災現象です。大やけどや火災の原因にもなるほどの大きな炎が大きな音とともに発生します。
ステンレス製を使用する
煙道火災を防ぐにはなんといってもタールの発生を防ぐことが一番です。湿った薪使用すると燃焼温度が必然的に下がります。すると不完全燃焼の原因となり、煙突内にタールがこびりつきます。これが煙道火災の主な原因です。
このタールが付きにくいように煙突をステンレス製のものにし、タールの付着をこまめにチェックし取り換えるなどといったメンテナンスを怠らないようにしましょう。ロケットストーブは高温で燃えるのでそれだけ機器の消耗も早いので定期的にメンテナンスをしましょう。
アウトドア以外でも活躍できる
ロケットストーブの魅力は持ち運びが簡単であること、身近なもので作れること、燃料もさほど種類を問わないことです。キャンプなどのアウトドア以外でも例えばウッドデッキでバーベキューをするときや、冬の課外活動などで暖をとりたい時などにさっと取り出して熱源を確保することができます。
緊急時の暖房器具として
東日本大震災をきっかけに普及したともいわれているロケットストーブ。やはりライフラインの断裂といった緊急時には暖房器具としても簡単な調理もできる設備としても活躍してくれるのがロケットストーブのよさです。
子供と火の扱いを学べる場として
IH調理器具が普及し、オール電化の家が増えてきたことで子供たちが火と触れ合う機会が減ってきているともいわれている今、ロケットストーブを通して火のつけ方、燃え方、燃焼について、火や煙は熱くて危険なことなど多くのことを肌で学べる貴重な場とも言えます。
自作したロケットストーブを囲んで団欒を楽しもう!
炎の揺らめきをじっと見つめたことはありますか?見つめていると不思議と気持ちが穏やかになり、みんなで炎を囲みながら過ごしているといつもは言葉にできないことができたりするのが炎の不思議な力です。
火のある暖かいところには自然と人が集まります。家族や仲間たちと自分で作ったロケットストーブを囲みながら、沸かした温かな飲み物でも片手にかけがえのない時間を過ごしてみませんか?