魚に痛覚はあるのか!?研究・議論され続ける謎に迫る!日本での魚の扱いも変わるかも?

2アセチルコリン、セロトニンなどの発痛物質が生成される

3痛覚の神経がこの物質を受け取る

4電気信号に変換された「痛み」についての情報が脳に伝達される

5大脳皮質において電気信号を解析し、痛みの情報を得ることで痛みを認識する

6手を引くなどの行動をとる

これが、痛みを感じる一連の流れになります。

「痛覚」による刺激の知覚と「痛み」は違う

結論から言うと、「痛覚」によって刺激を知覚することと「痛み」を感じることは性質として異なるものです。痛覚により得られる感覚が生理的な反応とされる一方で、痛みとは精神・感情的変化をも内包するものといえます。この章では「痛覚」と「痛み」についてそれぞれ検討していきます。

「痛覚」とは?

痛みとはそもそもどんな性質を持つものか。痛覚は、生物の防衛機能としての性質を持っています。生命を脅かすような外的刺激に対していち早く気づき、それに対処するために備わっている生存のための感覚です。

感覚器官としての痛覚がなければ、痛みを感じることはありませんが、小さな細胞の損傷が次第に大きくなって、生命活動に関わるような事態になってすら気づかないということもあり得ます。痛覚とは生命維持のために必要な感覚なのです。

「痛み」とは?

「痛み」という言葉は、決して物理的な刺激に対する反応にのみ使われる言葉ではありません。人間は感情をよりどころとする「精神的なストレス」をも「痛み」と表現します。つまりはどういうことでしょうか。これは、痛みというものが、細胞の欠損などの物理的刺激によって痛覚から伝わるもの以外にも適用されることを意味します。

たとえば、「傷口を見たら痛みが増した」という場合。人間の心理的変化によってもたらされた、二次的な反応とみることができます。実際に、被験者にやけどをしたと誤った認識をさせることによって、実際にやけどと同様の症状が皮膚に表れたという実験結果もあるほどです。

また反対に、「注射されているのを見なければ痛みを感じない」というのもよく聞く話ですよね。これなどは、視覚によって物理的痛みが助長されているということのわかりやすい例だと思います。

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