あさりの旬って知ってる?産地との関係や砂抜き&おすすめレシピも

愛知県の漁獲量には遠く及ばないものの、本州では年によってトップ3に入るほど産地として名を馳せていますが、漁というよりはどちらかというとレジャーとしての潮干狩りのイメージが強いようです。もっとも賑わう三番瀬海浜公園ではあさりをモチーフにしたゆるキャラも存在し賑わいを見せています。

地域ごとのあさりの旬④北海道

北海道は全ての沿岸部で獲ることができますが、主に道東の根室湾や、浜中町にある汽水湖である火散布沼、また昆布や牡蠣でも名高い厚岸湾など豊富な漁場が存在しています。

特に厚岸産は大きさが4センチほどもあり、見た目はハマグリのように大きいのが特徴です。肉厚の身は出汁もしっかり取れるため汁物にすると濃厚な味わいをもたらします。

北海道のあさりの旬は4月〜7月

春の訪れが一歩も二歩も遅い北海道では旬の季節も本州よりも1ヶ月ほどずれ込むのが特徴です。また秋に再び産卵の最盛期を迎えることはないので一年のうち春から初夏のみが肉付きのいい身を堪能できる唯一の季節といえます。

刻み昆布と一緒に煮付けにする料理や炊き込みご飯などが地元の人に親しまれています。

北海道のあさりの漁獲量

1000tを超える年もあるほど多くの量が獲れます。がしかし、なかなか北海道産がスーパーに出回ることはなく、めったに目にすることがありません。その代わりネットだと「横綱あさり」などとして特徴でもある大型のあさりを購入することが可能です。

地域ごとのあさりの旬⑤三重県

西日本では三重県が特産地として有名です。とりわけ伊勢湾はその中心とも言える場所で、雲出川や安濃川など数本の川から餌である植物性のプランクトンが大量に流れ込むため、最適な生息環境となっています。

三重県のあさりの旬は3月〜5月と10月

ほぼ他県の旬の時期と大差はありません。春と秋の2回にわたっておいしいタイミングが訪れます。その身はとても柔らかく、ほんのり甘みを有します。

品質が安定して高いことでも有名で市場では高く評価されています。生姜を加えて甘辛く煮付けた「しぐれ煮」にしてご飯と一緒に食べるのが多くの県民に好まれています。

三重県のあさりの漁獲量

近年は若干漁獲量が減少しているため5位以下と低迷をみせていますが、平成20年代前半は2位、3位ほどの漁獲量を実績として残しています。自治体と漁業者が一体となり、良質な漁場を守る取り組みや、資源保護、また肉厚な個体を養殖する研究も行われており、量こそ減ってしまっているものの産地らしく力を入れて対策に乗り出しています。

あさりの砂抜きの方法は?

中には処理を済ませたものも売られていますが、ほとんどの場合は調理をする前に砂を抜くことが必要になってきます。仮にこれをしないと口に入れて噛んだ時にジャリっとしてしまい、せっかくのおいしさも台無しです。ここでは代表的な方法を2つ紹介します。

あさりの砂抜きに必要な道具

「塩水」を使う王道的なものと「お湯」を使う裏技的なものの2種類があります。食味に両者の差はありませんが処理時間に差があります。

「塩水」につけた際は3〜6時間ほどかかるのに対し「お湯」は15分ほどです。がしかし「お湯」は強制的に砂を吐かせる点で否定的な意見もあります。それぞれに必要な道具は以下の通りです。

①塩水で行う場合

  • 塩水、または海水(水温は20度がベスト。前後5度くらいの誤差は可。水道水から作る場合は濃度3%が目安です。500mlの水に対して塩が大さじ1杯)
  • 水切りバッド(貝を浸すために使用します)
  • 新聞紙(暗い環境をつくるため。また潮吹きの水が辺りに飛ぶのを防ぐため)

長くて6時間ほどかかります。特に暑い夏場は傷んでしまう可能性もあるので冷蔵庫に入れて放置します。しかしこの時に吐き出した潮が他に飛び散らないように、新聞紙などで蓋をするなど細心の注意が必要となります。

②お湯で行う場合

  • お湯(50度のものを用意します)
  • 水切りバッド(貝を浸すために使います)
  • 温度計(お湯の温度を測ります)

お湯によりヒートショックを受けたあさりが身を守るために砂を吐き出す、この生態を利用した方法です。しかし43度以下だと菌が発生しやすく、60度近いと火が通ってしまうので温度管理が非常に重要になってきます。

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