次は彼らの寄生ライフに着目していきます。どのような形で宿主に取りつき、何を食べるのか?寄生された魚はどうなってしまうのか?
だんだん魚たちが気の毒に感じるかもしれませんが、これも熾烈な生存競争の一環、厳しい自然を生き残るためなのです。
餌のフリして魚の口内にちゃっかり寄生!
最初にウオノエは「私はお魚さんたちのおいしいごはんです」と、無害を装って餌となります。
そして飲み込まれないよう上手に口の中にへばりつき、魚たちがその存在に気が付かないうちに、どっしりと住まいをかまえてしまうのです。
ウオノエの口内リフォーム術がえぐい!
自分の体長より大きい魚とはいえ、お家は少々窮屈です。そこでウオノエの大改造・劇的リフォーム開始です!
まず魚の舌から血液を徹底的に吸いつくします。やがて壊死した舌が腐り落ち、口内に広いスペースが確保されます。なんということでしょう、匠の技によって快適な住まいを手に入れることができました!
居候している魚の体液を吸い付くし殺す
しかし舌だけでは飽き足らない貪欲なウオノエ、血液や体液をどんどん吸い続けます。そのうち宿主である魚は栄養失調で死んでしまいますが、そうなると最後は「お引越し」、新たな宿主を求めて移動します。
食い荒らすだけ食い荒らしてあっさりオサラバ、なかなかにおそろしい連中です。
迷惑千万!狭い魚の口の中に複数同居もアリ
口の中に居座られるだけでも魚としては大迷惑なのですが、その上寄生するウオノエは1体だけとは限らないのです。
狭いながらも楽しい我が家…というと微笑ましい風景ですが、住みつかれた方はお口の中が大渋滞。とてもたまったものではありません。
魚の口の中にウオノエ2匹発見!
このように、1匹の魚から2体のウオノエが見つかることも多々あります。これはつがい、つまり夫婦で寄生している個体であり、小さい方がオスです。
ウオノエはメスのほうがオスよりずっと大きな体格をしています。なおこの小さなオス、捌いた時にはまだ生きていたとか。
ウオノエは魚の口内で繁殖する
彼らは自分の居住エリア、つまり魚の口内で繁殖することが基本です。海は外敵が多く、たくさんの危険に溢れています。ウオノエたちには直接的な攻撃手段がありませんので、安全に子育てするなら家から出ないことが一番なのです。
なお彼らの婚活は「結婚相手が口の中に入ってくるのをひたすら待つ」という、究極の据え腰スタイルです。