オモリ
次に、テンビンにセットするオモリについて見ていきます。海底に生息するオニカサゴを狙えるように、重めのものを選ぶのがおすすめです。号数でいうと、平均的には150号くらいです。深めの釣り場であれば、およそ200号を上限にしてさらに重いものを選びましょう。形状は、海底を叩きやすいナス型や釣鐘型が向いています。
ハリス
ハリスとは、釣り針に直接結びつける糸のことです。おすすめは、フロロカーボン製のものです。フロロカーボン製のハリスは、比重が高いので沈みやすく、強度も高くなっています。その一方、伸縮性が低く、魚のアタリが伝わりやすいという特性もあります。オニカサゴ釣りでは海底を探るので、「沈みやすい・切れにくい・アタリが分かる」の三拍子を押さえたフロロカーボン製のハリスがおすすめなのです。
針
オニカサゴを釣るための針には、ムツ針を使いましょう。ムツ針は、ひらがなの「し」のような形をしています。針先が大きく内側へ曲がっているのです。この形状は「ネムリ」とも呼ばれ、オニカサゴのような針を飲み込みやすい魚に向いています。ネムリ形状のおかげで、針を飲み込まれても奥で引っ掛からず、口元までスライドして戻ってくるのです。そのため、エサを飲み込まれることを防ぐことができます。
二本針
親子サルカンを使って、針を二本にすることもできます。親子サルカンとは、ハリスから支線となるもう一本の糸(枝ス)を伸ばすための連結器具です。ハリスの中間点に親子サルカンを結びつけて、そこに枝スとなる糸を連結します。枝スの先にも針をつけることで、二本針を実現できます。針の数を増やすことで、獲物をヒットする可能性を高めることができます。
水中ライト
オニカサゴが生息する水深の海底には、太陽光が届きません。そこで、仕掛けに水中ライトをセットしておくのも、オニカサゴへのアピールとして有効です。水中ライトの明かりにおびき寄せられたオニカサゴを狙うことができるようになります。
飾りパーツ
オニカサゴは、動きのあるエサに対して敏感に反応します。そこで、仕掛けの中に飾りパーツを入れておくのも有効です。たとえば、タコベイトが効果を発揮します。タコベイトとは、タコに似せて作られたルアーです。タコの足を模した部分がヒラヒラと動くので、オニカサゴの興味を引くことができます。
船釣りの注意点
船釣りに挑む際には、乗り合い船を利用することが多くなります。乗り合い船では、仕掛けについて船長からの指示があります。釣り人全員の仕掛けを統一するためです。仕掛けがバラバラだと水中での動き方に差が出てしまい、仕掛け同士が絡まる原因になるのです。
初心者には市販の仕掛け
仕掛けを買いそろえてセッティングするのは、初心者には難易度が高い作業です。そこで、釣具店には完成済みの仕掛けが販売されています。釣りたい魚に応じて、各種仕掛けがセッティングされた状態で売られています。オニカサゴを釣りたいなら、オニカサゴ専用の仕掛けセットを選べばよいのです。
釣り方⑤ 探り方・誘い方
根気よくタナ取りを繰り返す
オニカサゴの探り方は、仕掛けで海底をくまなくトレースしていくようなイメージです。オニカサゴは、海底のどこかで上から降りてくるエサを待っています。どこかにいるオニカサゴを探して、いたるところで仕掛けを上下させ海底を叩いていきます。何度もタナ取りを繰り返しましょう。そうするうちに、アタリがくるはずです。ちなみに、オニカサゴのアタリは「ゴツゴツ」「ゴンゴン」といった感触です。
釣り方⑥ 取り込む
毒針に要注意!
オニカサゴの背びれ・腹びれ・エラ周りには、大変危険な毒針がたくさん生えています。毒針に刺されると、全身に激痛が広がっていきます。取り込む際には手袋をするなどして、毒針に手が触れないように用心しましょう。
取り込んだ後は、毒針を除去します。ペンチやハサミ、または針外し用のプライヤーを使って、慎重に切り取っていきます。オニカサゴの毒針は死んだ後も無毒化しません。切り取った毒針に触れるのも危険です。除去した毒針は、新聞紙で包むなどして注意深く扱いましょう。
オニカサゴの美味しい料理法
絶品あら汁
オニカサゴのアラからは、とても美味しい出汁がとれます。ただ、オニカサゴの表皮はとても硬いので、アラをおろすには包丁よりもキッチンバサミの方が有効です。突起に気を付けて、パチンパチンと切っていきましょう。おろしたアラを入れて味噌汁を作れば、絶品あら汁の完成です。刺身にはしづらい頬肉も味わえます。
鬼釣りを楽しもう!
今回は、オニカサゴの特徴や釣り方について詳しく解説しました。決して複雑な仕掛けが必要なわけではありませんが、海底に潜むオニカサゴを探るためにいろいろな工夫が求められます。釣りとして非常に奥が深いので、経験を重ねるほど楽しくなってくるはずです。毒針の処理には注意しなければなりませんが、味も絶品なので獲物として魅力的です。旬を迎える夏から秋には、ぜひ鬼釣りに出かけてみてください。
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