鳥を食べる魚「ロウニンアジ」|憧れのロウニンアジの生態や釣り方

いつの日にか、あのロウニンアジを釣り上げたい。多くの海釣り人が夢に見るのが大物ロウニンアジ(通称GT)との限界ギリギリのファイトです。そのためにはまず相手を知ることが重要です。ロウニンアジの特徴や生態、釣り方などをここでご紹介します。

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ロウニンアジ(GT)その名前の由来は?

漢字でロウニンアジは「浪人鯵」と書きます。幼魚・若魚は群れを作って生活しますが、成魚になると単独で行動します。その姿が、主君を持たない浪人とかさなり「浪人鯵」と名付けられたという説が有力ですが、エラブタに刀傷のような筋があることから、ともいわれています。

また、釣り人のあいだでは通称「GT」(ジー・ティー)と呼ばれ親しまれています。「GT」とは「Giant Trevally」(ジャイアント・トレバリー)ロウニンアジの英名のイニシャルをとったものです。

ロウニンアジ(GT)の特徴や生態を知る

スズキ目アジ科ギンガメアジ属のロウニンアジですが、生態についてはよくわかっていないのが現状です。それはロウニンアジの水産業的な価値が低いためといわれています。ですが釣り人にとっては憧れのターゲット。将来の熱い戦いにむけて特徴や性格などをおさえましょう。

ロウニンアジの体の特徴は?

ロウニンアジは体高があり、それでいて体幅が少ない側扁(そくへん)と呼ばれるひらたい体形をして、顔はマダイに似ています。巨大な胸ビレと強靭なアゴから生み出される圧倒的なパワーが、世界中の釣り人を魅了している理由のひとつです。

ロウニンアジの食性は?

海面付近を飛ぶ鳥を襲う衝撃的な姿が話題になったロウニンアジですが、幼魚は小魚や頭足類なども食べます。成魚に成長するとムロアジの仲間などで30~40センチある魚をターゲットにし捕食します。

性格は獰猛で、普段は小魚の群れの下層の水深30~40メートルあたりに居ることが多く、捕食のスイチッが入るとそこから小魚の群れに向かって猛ダッシュし襲いかかります。その姿はまさに圧巻の一言に尽きます。

ロウニンアジ(GT)の生息地域

ロウニンアジは温暖なインド洋から太平洋の海域に広く生息し、サンゴ礁や岩礁などを好みます。日本では沖縄、奄美、小笠原諸島などの冬でも暖かい海域に生息しています。時には黒潮に乗って関東沿岸まで回遊してくることもありますが、冬の寒さに耐えれず死滅します。ただ稀に工場などの温排水が流れ込む水域で越冬することも確認されています。

ロウニンアジ(GT)の大きさ重さはどのくらい?

ロウニンアジは若魚は4~5キロぐらいのものが多いですが、これが成魚になり成長していくと全長180センチ、重さ80キロ以上になるものもいます。一般的なサイズは30キロ前後で、50キロオーバーは釣り人の誰もが夢に見るサイズです。

ロウニンアジ(GT)鳥を食べる魚の謎

学術研究が進んでいないため謎が多いロウニンアジ。繁殖行動や産卵場所のほかにも、体色が白っぽいものから黒色のものまで個体差が大きい理由や、なぜ鳥を襲うのか?などさまざまあります。今後研究が進み謎が解明される日が来るのか楽しみですね。

ロウニンアジ(GT)釣りに挑戦

その圧倒的なパワーと威風堂々とした風格、そして南国の海というロケーション。経験したことがない想像を絶する引きを一度体験すると、忘れることはできません。魚と人、お互いが体力の続くまでファイトする。お金がかかるチャーター船だけではなく、ロウニンアジは陸からでも狙えるのも魅力のひとつです。

日本でのロウニンアジ釣りベストシーズンは?

ロウニンアジは場所により年間を通して釣ることができますが、暖かい水温を好むため4~10月がベストのシーズンです。ですが、温暖化による近年の海水温の上昇や気象、海流の変化などの影響が考えられますので、情報の確認が必要です。

ロウニンアジ(GT)をチャーター船で狙う釣り方とコツ

ロウニンアジ釣りは船をチャーターして狙うのが一般的です。専門のチャーター船は船長をはじめ乗組員全員が経験豊富でしっかりバックアップしてくれます。そのため初心者でも安心してロウニンアジ釣りを楽しむことができるのです。

人気はルアーキャスティング

ロウニンアジを釣るにはタックル選びが重要です。いつ大物に出会っても後悔しないようにタックルは専用のものを用意しましょう。圧倒的なロウニンアジの引きに耐えられる耐久性や強度が釣り人の武器になります。使用するルアーはポッパー、ペンシルベイト、ダイビングペンシルが主流で状況に合わせて選びましょう。

狙うポイントは海面付近、ジャーキングやポッピングを駆使し、水深30メートル付近で小魚の群れをじっと見つめるロウニンアジをイメージしながら、ロウニンアジが食いつくように誘いましょう。

泳がせ釣り

生きた魚などをエサにして大物を狙うのが泳がせ釣りです。一般的に大型の電動リールなどを使用し力ずくで釣り上げますが、最近は魚とフェアにファイトするスタンディングという方式が流行しています。

大物狙いの釣りなので使用するタックルの強度はかなり高いものとなっています。ほかの大物の魚も狙いつつ、運よくロウニンアジがかかっても、しっかり針が飲み込まれていれば針が伸びる心配もないので安心してファイトを楽しめます。

ロウニンアジ(GT)は陸からも狙える

チャーター船はお金がかかるからちょっと難しい、そう思ってる人も多いことでしょう。でも大丈夫、ロウニンアジは磯や堤防からでも狙えます。温排水の流れ込む水域や河口では幼魚・若魚も釣ることができ、陸からでも十分に楽しむことができるのです。

打ち込み釣りで狙う

岩場や堤防からは打ち込み釣りです。打ち込み釣りの仕掛けは針とおもりだけとシンプル。あとは潮目やロウニンアジが好みそうな岩礁やサンゴ礁のふちなどのポイントに投げ入れてアタリがくるのを待ちます。初心者も簡単にできる釣りですが、タックルはもちろん大物仕様でないといけません。

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