身体の色味が黒く頭部のとげや骨質が大きく隆起しています。目は小さく目の下から3本の棘があるのが特徴です。「北海道の鯛」と呼ばれ、鯛が取れない北海道ではソイが高級魚として扱われます。ソイ漁というものは存在しません。その理由は岩礁の岩場に隠れて生息しているため、ソイのみを狙うことが大変難しいからです。定置網漁や底曳網のような網で偶然かかった天然ものが見かけられますがその量は多くなく、養殖魚が主に流通されています。
分布
北海道以南日本海沿岸や朝鮮半島、中国にまで生息見られますが、主な水揚げは北海道です。水深50~100mの岩礁で砂泥地にもいます。小さい頃は防波堤や漁港の近くにいますが、成魚になると岩場へ移動、季節的な移動を行い、寒い時期は沿岸の浅瀬、暑い時期は沖合へ移動しています。水温が20度以上になると深い場所へ移動します。
ソイの値段
天然ものは水揚げ量が安定しないので、水揚げが少ない時は価格が高騰します。また北海道や東北の沿岸部以外ではなかなか流通しないこと、味がよく、さまざまな料理に使えることから、割烹料理などで高級魚として扱われます。値段はインターネットで1500円~3000円ほどです。
ソイとメバルの違い
ソイの種類にメバルという名が付いたものがあります。タヌキメバル、キツネメバル、コウライキツネメバルの3種類はソイの仲間でメバル属に属していますが、メバルではありません。メバルにはアカメバル、シロメバル、クロメバルの3種類がおり、分類も同じメバル属に属しています。そのため見た目がよく似ています。ではソイとメバルを比較し、見た目で判断できる箇所はどこでしょうか。大きな違いはソイ(クロソイ)の目の下に3本のトゲがあるのに対して、メバルにはトゲがありません。またソイは小さなつぶらな瞳をしているのに対し、メバル(目張る)という名の通り目が飛び出しているのが特徴です。ぱっと見た目はとてもよく似ているので、間違えてしまう人も多いようです。
ソイの旬は?
産卵期は5.6月なので、産卵前の栄養が高く脂がのりきった冬時期が旬の魚です。晩秋になると鯛よりも美味しいと珍重されています。北海道の冷たい水で育ったソイは身が締まって脂がのっています。
ソイの釣り方
旬の冬にソイ釣りがヒートアップしてきます。海中の障害物、根や岩場の隙間を好んで生息している根魚で、岩場が広がっている場所や港、堤防など障害物がある場所をめがけて仕掛けをおとします。テトラポットの隙間などの穴釣りがポピュラーです。釣りの仕掛けは胴突仕掛けが良いでしょう。ハリスに枝分かれした3本針をつけエサをつけます。最下部についているオモリはしっかりとしたポイントを狙うために重めの方がよいでしょう。穴の隙間に落としたオモリが底についたらコツコツと竿を上下させて誘ったり、引きずるようにしたり誘い出します。ソイは臆病な魚なので、自分の近くにエサが来たときに捕食します。そのため仕掛けを落してじっと待つよりは、動かしながら誘い出すのがよい方法です。夜行性なので、日が暮れてから活発に動き出しますが、夜釣りは大変危険ですので釣りに行く際は万全の態勢を整えましょう。
ソイの味と栄養素
ソイは白身魚でとても淡泊ですが、旬の時期は脂がのっていてうまみが増します。見た目はごついですが、とても繊細な味を出し、骨や身からが美味し出しが取れます。刺身はもちろん唐揚げやアラ汁として人気がある魚です。ソイにはカルシウムが豊富に含まれており、骨を作る成分の他に精神安定、血液凝固、など生命維持に大きく関わってきますので、積極的にソイを食べたいですね。
美味しいソイの見極め方
美味しいソイを見極めるにはポイントが4つあります。まずは目が澄んでいるものを選びましょう。鮮度は目に現れます。目がくすんで濁っているものは時間が経っているものです。出来るだけ澄んだ目のソイを見つけましょう。次に体全体にハリがあるものです。鮮度が落ちてくると柔らかくなりますので、お腹の部分でハリを確かめましょう。エラを持ち上げて中が赤いものは新鮮なものです。茶褐色に変色しているものは時間が経過しています。切り身で売っている場合には水が出ているかどうかをチェックしましょう。水の中身臭み成分が含まれています。出来るだけ水がなく、全体的にハリつやがあるものを選びましょう。
おすすめレシピ
ソイの刺身
うろこを取ります。ソイには棘があるものもありますので手を傷つけないように注意しましょう。ワタを取り除き、流水でしっかり水洗いし、三枚におろします。刺身用にカットし盛り付けたら完成です。わさび醤油でいただきましょう。
ソイの唐揚げ
ソイをひと口大にカットします。塩コショウで下味を着けたら、小麦粉にまぶして油でカリッと揚げます。下味はついていますが、レモンをかけて食べると揚げ物でもさっぱり美味しくいただけます。
ソイの煮つけ
ソイを水洗いし、水を切っておきます。お鍋にだし汁、みりん、酒、砂糖を入れ一煮立ちさせて、ソイを加えます。ソイに火が通ったら醤油を入れ軽く煮たたせて完成です。味は冷めるときに染み込むので、しょうゆは後入れでも大丈夫です。
ソイのカルパッチョ
ソイを薄切りにしておきます。レタスをちぎり、玉ねぎはスライスにして、辛みを取るため水にさらします。その間にカルパッチョのキモとなるドレッシング作りです。オリーブオイルに塩コショウ、レモン汁、砂糖を入れよく混ぜます。水を切ったレタス、玉ねぎをお皿に盛り付け、その上に薄切りにしたソイを並べてドレッシングを回しかけます。ドレッシングにはお好みで酢を入れても美味しいです。
まとめ
ソイには多くの種類がありますが、特に流通量が多いクロソイは味に定評があり、様々な種類の料理で多くの人をうならせています。釣りをしない人や関東以西の流通が少ない地域ではなじみが少ない魚ですが、美味しいと評判ソイを一度は味わってみたいですね。せっかく食すのならやはり水揚げの盛んな北海道で新鮮なソイを堪能したいものです。メバルとの違いを見極め、ソイの良さをもっと多くの人々にも知ってもらえることを期待しています。