ウナギの生態を徹底解説!実は謎の多いその生態を様々な角度から解説!

これは釣竿を使ったいわゆる「釣り」で、特に難しい仕掛けは必要ありません。ウナギ用の仕掛けも売っているのでそれを使ってもよいでしょう。エサにはミミズやイソメがメジャーですが、嗅覚の鋭いことを利用して魚肉ソーセージを使った例もあるようです。

投げ釣りやウキ釣りを行いたいときには日没後数時間が勝負です。日中や夜遅くの時間はあまり釣ることができません。さらに雨上がりなどで水が濁っているときはよりウナギが出てきやすくなります。

ウナギの食文化

ウナギは古くから食用とされていますが、昔から精のつく食べ物として知られています。それは、脂が多い割にカロリーが低く、ビタミンA・B群・D・EやDHA、EPAなども含み、疲労回復や抗酸化作用、心臓病や脳梗塞の予防にも役立ちます。

土用の丑の日はプロモーションから始まった?

現在ウナギを食べる日といえば7月下旬の土用の丑の日が有名です。その季節になるとスーパーにもたくさんウナギが並び、外食チェーン店などでもウナギのメニューが出てきます。この習慣はじつは江戸時代に鰻屋のプロモーションから始まったと言われています。

江戸時代に売れない鰻屋があり、その店主が当時の蘭学者であった平賀源内に相談をしました。元々丑の日に「う」がつく食べ物を食べると良いとされていたので、平賀源内はそれを利用して看板を出すよう勧めました。するとその鰻屋が繁盛した為、習慣になったという説があります。

関東と関西の蒲焼きの違い

ウナギの蒲焼きと一口に言いますが、関東地方と関西地方ではその作り方に違いがあることを知っていますか?その違いから、関東の蒲焼きは柔らかくふわっとした食感、関西の蒲焼きは皮がパリッとしているのが特徴です。

蒲焼きの違い①:さばき方

関東ではウナギを背開きにします。これは武士の多かった江戸では切腹を連想させる腹開きが嫌われたこと、背開きのほうが簡単なことなどの理由があります。それに対し関西は商人の町の為、腹を割って話そうという意味を込めて腹開きにします。

蒲焼きの違い②:加熱の仕方

関東では開いたウナギを竹串にさし、軽く素焼きにした後蒸し、その後さらにたれをつけて軽く焼きます。蒸すことで柔らかさが増し、余分な脂が落ちるほか、焼き時間が短いので早く提供できます。一方関西は金串を使用し、蒸しの工程は入れずにじっくりと焼きます。焼くことで皮がパリッと食感がよくなります。

蒲焼きの違い③:盛り付け方

関東ではうな丼やうな重のようにご飯の上に蒲焼きを乗せて出すのが一般的です。しかし関西ではご飯とご飯の間にウナギを挟むようにして盛り付けます。こうしてご飯でウナギを蒸すのです。関西でウナギを「まむし」と呼ぶのは、ご飯で蒸す「まんまむし」からきているという説があります。

ウナギの養殖の壁―マリンスノーとは?

ウナギは大変おいしい魚ですが、今のまま消費し続けると絶滅して食べられなくなってしまう心配も出てきています。その為研究が進められているのが完全養殖です。これは卵から成魚まで人工的に成長させ、それに卵を産ませてまた育てるというもので、これが実現すれば食べられなくなることもなく、天然資源を守ることもできます。

ウナギ養殖にはマリンスノーが必要?

ウナギ養殖で不可欠なのが適したエサを与えることですが、じつは卵からかえった後レプトセファルスの時期に何を食べて成長しているのかわかっていませんでした。それが東京大学などの共同研究で、マリンスノーがエサであることがわかり、2012年に研究結果が発表されました。

マリンスノーについて解説

これは海中をゆっくり沈んでいく雪のように見える物体のことで、この正体はプランクトンの糞や死骸が細菌などによって分解された粒子です。現在ではマリンスノーの成分を分析して、コストが安く手に入りやすいエサを見つける研究がなされています。

やっと見つかった解決策とは

レプトセファルスのエサがわかったのは2012年ですが、じつはそれより前に卵からシラスウナギまで育てることには成功しています。その際に使用されたのはアブラツノザメというサメの卵を使ったエサで、その後イタチザメやアイザメの卵、鶏卵を使用したエサも利用できることがわかっています。

しかし現在のところ完全養殖に成功したのは小規模水槽の中のみで、稚魚の生存率もかなり低い為、販売するには至っていません。エサや設備にかかるコストも課題となっており、これからさらなる研究の進展が待たれます。

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