さんまには胃袋がなく、消化器官は胃のように発達した腸のみです。そのまま肛門に繋がっているので、えさを食べてから消化、排せつするまでは約数十分しかかかりません。鯛のように胃袋を持つ魚は消化までに数時間かかるので、それらと比べるとかなり短いです。
内臓に苦みがない理由
さんまは昼間に活動してえさを食べます。その餌もすぐに消化されてしまうので夜にはさんまの胃の中は空になっています。さんまは夜に漁がおこなわれるので、水揚げされるさんまの体内にはえさがほとんど残っておらず、えぐみが少ないのです。
さんまは夏も楽しめる
さんまは秋が旬の魚ですが、実は7月からも漁が行われます。旬の前に獲れるさんまはまだ脂が少ないですが、一部では「本当の旬は夏」と言われることもあります。その理由は何でしょうか?夏のさんまについても見てみましょう。
身が締まってさっぱりした初物さんま
7月はじめ頃に獲れるさんまは「初物」と言われ、さっぱりした味わいです。脂が少なく身も少ないため塩焼きには向いていませんが、刺身や酢締めにするとさんま本来の味わいが楽しめるとして人気があります。
本当の旬は夏?
さんまの本当の旬は7月の終わりから8月頃という説もあります。これは、さんまが北海道でえさをた食べ、南下が始まる前でエネルギーを消耗していない時期だからなのです。この時期に北海道で獲れたさんまは最も脂が乗っているといえます。
なぜ旬は秋なのか?
ではなぜ最も脂が乗る夏ではなく秋の魚として有名なのでしょうか?夏のさんまは獲れる量が少ないため、東京などの都市になかなか流通されないのが理由です。最も多く獲れるのが南下の始まる秋口であることから、秋が旬の魚とされています。北海道でなら最も脂の乗った夏の新鮮なさんまを食べられるので、是非行ってみてください。
さんまの名前の由来
現代で使われる、「秋の刀のような魚」という意味の「秋刀魚」という漢字は、実は大正時代から使われ始めたものなのです。それ以前は「サイラ(佐伊羅魚)」や「サマナ(狭真魚〉」といった感じや読み方が使われていました。有名な夏目漱石の「吾輩は猫である」では「三馬」と書かれています。
見た目が名前の由来説
「さんま」と呼ばれるようになった由来は2つの説があります。一つはその長細い見た目からつけられたという説です。さんまの語源は「さまな(狭真魚)」であり、それが「さんま」と呼ばれるようになったといわれます。「さ(狭)」には細いという意味があり、「まな」は「真魚」、つまり細長い魚という意味でつけられたそうです。
習性が名前の由来説
もう一つの説は、さんまの習性を元にしているという説です。さんまは群れで泳ぐので、群れを意味する「さわ(沢)」と魚を意味する「ま」が組み合わさり、「さわんま」となり、それが「さんま」と呼ばれるようになった、ともいわれています
さんまは含まれる栄養が豊富!
旬のさんまは脂が乗っておいしいというだけではありません。身体に必要な栄養素もたっぷり含まれており、健康や美容にもよい魚なのです。中には体内で生成できない栄養素もあります。どんな効果があるか見ていきましょう。
美容によいビタミン類
さんまにはビタミンAやビタミンD、ビタミンB2といったビタミン類が豊富に含まれています。これらのビタミンは皮膚や粘膜を丈夫にして肌をきれいにしてくれたり、脂肪を燃焼しやすくしてくれたり、アンチエイジング効果が期待できる栄養素です。さんまを食べるだけで美容に大きな効果があるのです。