アオバアリガタハネカクシの体液は毒!やけどに似た症状や処置方法もご紹介

たとえば、あなたが捕食者だとして食べた虫が美味しくなかった、それどころか酷い嘔気や腹痛に見舞われたとしましょう。そうなれば、もう二度と同じ色や形をした虫を食べようなどとは思わないはずです。当然食べられた虫はそれまでですが、そうやって種全体の存続に貢献しているのです。

アオバアリガタハネカクシは害虫なのか?

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これまで人間にとってこの昆虫が持つ欠点に着目してきましたが、ならば彼らは害虫なのかと訊かれるとそうとも言えません。なぜなら、アブラムシやフタオビコヤガなどの作物に被害をもたらす虫を食べてくれるからです。病害虫とも益虫とも言い切れない二面性を備えた虫。それがアオバアリガタハネカクシなのです。

アオバアリガタハネカクシだけじゃない! 他にもいる体液に毒を持った虫

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体液に毒を持っているのは、何もアオバアリガタハネカクシに限った話ではありません。以下で紹介するのは、その中でも外から家に入って来たり、庭で見つかる可能性のある虫です。身近なところで遭遇する可能性があるため、特徴を把握しておきましょう。

アオカミキリモドキ

カミキリムシに似た体を持つ小型の甲虫類です。日本には約40種類が生息していますが、そのうち半数以上が毒を有しているとされています。成虫の体長は10~16ミリで、生息地は広く平地・山地を問いません。

5月~7月初旬にかけて出現し、アオバアリガタハネカクシ同様光に引き寄せられる性質を有するため、屋内でもしばしば目撃されます。体に強く触れると、カンタリジンと呼ばれる血管刺激物質を含む分泌液を出し、水疱状皮膚炎を引き起こします。この特徴から「ヤケドムシ」、「デンキムシ」という別名で呼ばれることもあります。

キイロカミキリモドキ

アオカミキリモドキと比べて少し遅い6月~7月にかけて出現し、同じくライトに誘引される性質を持っています。体液に皮膚炎を起こすカンタリジンを含んでいる点も同様です。これは成虫だけでなく、卵、幼虫、蛹、全ての体内に含まれています。有害物質を持っているのは、鳥などの捕食者を忌避しているからだと考えられています。

その他毒を持つ生物についてもっと知りたいという方は、こちらをご覧ください。

アオバアリガタハネカクシに注意しよう

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外で遭遇する虫や動植物などには、少なからず菌類や寄生虫が付着しています。とはいえ、アウトドアやガーデニング、子供の外遊びを控えさせることが最適とは言えません。自然との触れ合いはストレス軽減効果があり、充実した生活を送る上で欠かせないことなのです。

この昆虫について詳しい生態はまだわかっていません。平野部の湿地であればどこにでも生息し、住宅地でも見つかる虫です。対処法だけ頭にとどめ、基本は触らず放置しておきましょう。接触したと思ったらすぐ洗い流して、気になるなら早期に皮膚科を受診してください。過剰に気にすることなく、アウトドアやガーデニングを楽しみましょう。

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