簡単に説明してしまうと、結果的に彼女はその夜眠れぬほど後悔し、翌日母親と共にキャラメルをお店に返しにいきます。その際に罪と向き合うシーンがあるのですが、これがシンプルながら中々に深く、大人の方にこそグッとくるものがあるのではないでしょうか。
うさこちゃんは おみせに いくのは いやでした。ああ、はずかしい。あんなこと しなければ よかった。でも、これは じぶんの したことです。(引用:うさこちゃんときゃらめる
ミッフィーが万引きしたキャラメルがグッズ化する闇
ミッフィー展でこの万引き現場を再現したマグカップがグッズ化され、SNSで大きな話題となりました。なんという鬱グッズなのか!とそのシュールさを、更にそれをグッズ化して売り出した公式を大いに讃える声があちこちで目立ちました。
ミッフィーのおばあちゃんの棺桶までグッズ化する闇
更にここまでくるとシュールを通り越してただの闇ではないかとも言われるもう一つのグッズ。それは「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」の話で出ている、亡くなった祖母が棺桶に入る様をプリントした手ぬぐいです。
斬新だとも、戦慄したとも言われており、けれどそのどれもに非難の色はありませんでした。ただの可愛らしいキャラクターだけでは終わらないミッフィーの魅力は、こんなところにも発揮されているのです。
ミッフィー雑学①ミッフィーは横を向かない
数多く存在するミッフィーのイラストですが、その中に横顔のカットはひとつとして存在しません。一体何故でしょう。この理由は数ある彼の強いこだわりのひとつです。今回書籍も併せてご紹介させて頂きますので、興味が出た方は探してみてはいかがでしょうか。
ミッフィーが横を向かない理由
小さな子どもたちや私のファンのみなさんは、私に対して非常に率直で素直です。ですから私も、そんなみなさんに対してはストレートで、正直でありたいと思っています。それが、私の描くキャラクターたちの顔がいつも正面を向いて読者のみなさんをまっすぐに見ていることの理由です。(引用:ブルーナミュージアム ミッフィーのすべてがわかる)
その理由とは読者への強い愛情と優しさです。子供は目をまっすぐ見てくれる大人を慕いますが、ディック・ブルーナは慕われたいからそうしているのではないのです。抜粋した文の通り、子供に対し正直に対峙していたいという、どこまでも誠実な姿勢と愛情なのです。
横を向くキャラは誰?
しかしそのこだわりの中でも、いくつかの動物キャラクターたちは横向きに描かれています。こちらのキャラクター「ブルーナズー」と呼ばれており、代表的な横向きのキャラクターはゾウ、ハリネズミ、カメ、ペンギンなどです。
横は向かないが後ろ姿はOKのミッフィー
とはいえ常に前だけを向いているわけではなく、時にはミッフィーたちは後ろを向くことがあります。ですが基本的に後ろ姿のミッフィーはグッズでしか見られません。しかし描かれているということは、後ろ姿はOKだということです。
正面しか向かないというポリシーから生まれた像
ディック・ブルーナの故郷ユトレヒトでは、そのポリシーから画像のような360°どこから見ても正面を向いている像が存在します。しかしここまでくると、本気なのかネタなのか判別がつかないようにも思われるかもしれません。
ミッフィーの闇を感じられるシュールなグッズについて書いたことを覚えていらっしゃるでしょうか。そうです。ミッフィーとは公式も中々に本気なのかどうなのか一瞬判別に困る行動をしてくるのです。しかしそれも、作者の真摯な姿があってこそなのだといえます。
ミッフィー雑学②ミッフィーの名前
記事のはじめの方で、ミッフィー、うさこちゃん、ナインチェ、呼び名は様々ありますが…と記したことを覚えていらっしゃるでしょうか。このセクションではいよいよそのミッフィーの呼び名について説明させていただきます。
ミッフィーの名前は後付け!最初の名前は「うさこ」
ミッフィーの呼び名の中でも一番有名なものは「うさこちゃん」でしょう。1964年から刊行し続ける福音館書の絵本は一様に「うさこちゃん」で統一されており、途中1979年から他書店やメディアにて英語表記のミッフィー・バニーと呼ばれ始めたものの、刊行されている中で話題に上る絵本は圧倒的にうさこちゃんが多いです。
ミッフィーのオランダ名
また「うさこちゃん」という名前の由来は、彼女の母国での本来の名前「ナインチェ・プラウス」からきています。というのも、このナインチェというのはオランダ語でうさちゃんという意味を持ち、作家石井桃子がその響きと意味から「ふわふわ うさこちゃん」と名付けたことがはじまりでした。