そして、衝動を抑えられずに実行するというのとは別のベクトルで、盗むこと、奪うことに性的な快楽を得るもののことをこのように呼ぶようになっています。
コプロフィリア(糞便愛)
こちらは日本語で「糞便愛」といい、言葉の通り人間が排便をするという行為そのものや、もしくはその糞便を食するという行為に興奮するもののことを指しています。これに関して、R18同人のジャンルの中に「スカトロ」というものがあるのをご存じでしょうか。
こちらも女性が糞尿をすることを意味するもので、「スカトロジー」という英語で糞尿を意味する単語を語源としたものなのですが、その中にこのコプロフィリアが広義の意味で含まれているといわれています。
スコプトフィリア(窃視性愛)
更に「スコプトフィリア」なるものもあります。症候群の種類の中に「窃視障害」というものがあるとご紹介しましたが、こちらも内容的にはそれと似通っていて、第三者が服を脱いでいる、もしくは全裸の状態や、性行為を盗み見ることで性的快楽を得る者のことを指しています。
こちらもおそらくですが、その盗み見ている第三者が自分に気づいてない状態で見られたくない状態を見られているという状況、もしくはそれがばれてしまうかもしれないというスリルに対して興奮しているのかもしれません。
デンドロフィリア(樹木性愛)
デンドロフィリア、というものもあります。こちらは日本語に訳すると「樹木性愛」といい、その言葉の通り自然の木や植物といったものを対象として、どんなふうにかまでは分かりませんが性的な思考を持っている者がこれに当てはまります。
別名でデンドロフィリーやアーバーフィリアとも呼ばれている性嗜好で、デンドロの元となっているのはおそらくですがラン科セッコク属に属している植物を学名でカナ読みしたものかと考えられます。
ハイポクシフィリア(窒息性愛)
こちらは首をつかまれ締め付けらたり、ロープやビニール袋といったとにかく首を絞められるもので首を絞められることに興奮するものです。重要なのはこれが自分以外の誰かの首を絞めるというのではなく、ほかならぬ自分自身が首を絞められ、窒息になったり酸素が欠乏した状態になるということです。
こちらについては性嗜好を持つタイプに傾向があることが分かっており、自分に自信を持つことができないもの、もしくは症候群の中でご紹介したマゾヒズムに当てはまる者が嗜好としている傾向にあるとされています。
フロツーリズム(接触性愛)
フロツーリズムというのは、友人や知人といった自分のことを知っている、あるいは自分が知っている相手ではなく、名前も知らない第三者に断りもなく無断で自分の性器をその人に接触させ、それで性的快楽を得る者のことを指しています。
こちらは盗み見たり窒息したりといったものではなく、自分の性器を接触させるというものになってはいますが、実際にそこから性行為に移るというわけではなく、あくまで接触していることに興奮するという内容になっています。
マゾヒズム(被虐性愛)
こちらはパラフィリアの症候群の中でもご紹介しましたが、別名で被虐性欲とも呼ばれており、内容的にはご紹介したものと似通っていて、精神的、もしくは肉体的な苦痛を与えられることによって性的快感を味わうというものです。
これは実際にその被虐されている状態になるのはもちろんのこと、自分がその状態に陥っていることを想像するだけでも興奮するものも当てはまっているとされ、代表的なのは「女王様プレイ」などがこれに当たるのではないかと考えれられます。
エロトフォノフィリア(殺人性愛)
最後の1つは「エロトフォノフィリア」といい、なんと他者を殺害するという行為そのものに興奮するという内容です。盗み見や本人の許可なく性器を触れさせるというものもなかなかマズいものでしたが、ぶっちぎりで危ないのはやはり禁忌を犯しているこれでしょう。
こういった性愛を持っている者は実際の殺人事件を起こしている者に当てはまることも多く、実際に起こった長崎県佐世保市の同級生を殺害したという事件では殺害した側である生徒が「人を殺したかった」という欲を持っていたとされています。
性目標倒錯は多岐にわたる
ということで、エキシビョニズムからエロトフォノフィリアまで全10個の性目標倒錯の種類をご紹介しました。こちらも症候群のそれと同じく非常に多岐にわたっており、人に害を及ぼさないであろうものから間違いなく人命にかかわってくるようなものまでさまざまであることがお分かりいただけたでしょう。
パラフィリアの類型として挙げられる性対象倒錯とは?
性「目標」倒錯をご紹介しましたが、これと異なり性「対象」倒錯というものもあります。ご紹介したものが性行為ではない行為に興奮するというものであったのに対して、これからご紹介するのは最終的な到達目標は行為に至るというがまず1つの違いです。
そして、一番の特徴はその性行為を行いたいと思う相手が一般的な趣味嗜好とはかけ離れているということです。だからこそ対象が盗作していると表現されており、ここからはそんな性対象倒錯の種類をいくつかご紹介していきましょう。