【地下鉄サリン事件】事件から24年、概要とオウム真理教の恐ろしさを解説

その人物とは実際に犯行に及ぶ幹部たちを目的の場所、つまりは多くの一般人や民間人が利用する主要路線が走る駅まで送り届け、逃走する際に足となる『運転役』そして今回のセンセーショナルなテロ事件、人類史上2度目に攻撃的な用途で使用された化学兵器及び化学薬品を作り出した『製造役』それぞれの動きや犯行の概要を次に解説していきます。

地下鉄サリン事件の運転役

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実際に一般人や民間人に扮して電車に乗車して、車内に有害な毒ガスをばら撒いて罪のない人間を殺傷した実行犯は5人でしたが、それぞれの人物に対する運転役は1人だったので計5人でした。彼らは実行犯を目的の場所、予め犯行を予定していた路線の駅に送り届けるというポジションを担っていた人物です。当日はある人物を違うメンバーに変更する動きもありました。

事件当日は犯行に及ぶ前に、数名の人物は呑気に飲食店で料理を食べて過ごしていました。その後でお店で変装する際に用いる各アイテムを勝って用意し、実行犯を送るための脚となる車を宗教団体の信者から借りました。犯行後は東京都都内にあるベースに集合したそうです。

地下鉄サリン事件の製造役

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恐らくどんなポジションを担っているか、その名前を見ていただれば一目瞭然ですが、彼らは犯行に用いる化学薬品、ヒトラー率いるナチスドイツが産み出した化学兵器の毒ガス『サリン』を物質を混ぜ合わせたり、組み合わせて作成した張本人なのです。他の化学薬品を生成していたそうです。

メンバーの一人は、組織が関わるある出来事、一件が頭によぎり作成する事を躊躇っていましたが、宗教団体のトップ、犯行の主犯格にあたる『あの人物』の言葉によって製造が促され、完成したモノは純度が100パーセントの科学兵器でなかったのですが、それを使用して犯行に及ぶ事が決定されました。彼らも製造したVXガスに関する記事はこちらです。是非ご覧ください。

地下鉄サリン事件の裁判の行方と現在は?

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これまで今回ご紹介している世界でもすぐに報道されたセンセーショナルなテロ事件に、関与した犯人グループたちそれぞれの人物の簡単なプロフィールや犯行内容についてお話ししていきましたが、気になるのは逮捕され各犯罪者一人一人が裁判に掛けられて、どんな判決結果が言い渡されたかでしょう。

各犯人グループのメンバー、即ち宗教団体の信者及び役柄についているような人物たちがどんな判決となったか次に解説していきます。恐らく結果を知らずとも彼らの非人道的で残虐な犯行内容を知れば、その罪の重さから刑罰も相当なものに値しなくてはならないという事は誰でも容易に伺えるのではないでしょうか?

地下鉄サリン事件の判決と現在①林泰男

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彼は逮捕され裁判に掛けられた際、加入していた宗教自体の教えなのか彼の生きる教訓なのかは分かりませんが、巡り廻るという輪廻、生まれ変わるという転生の事、そしてあの世の裁判官や神として知られているエンマ大王の存在を絶対的に信じていたので、法廷では一切虚偽や嘘はつかずにありのままを話したそうです。

裁判官はそんな彼の態度に『本来は被告人として裁判に掛けられるべき人格者ではなかった』『教えを受ける先生や師を見誤った間違えてしまった』と言及し、さらに『罪のない多くの人間を殺めた凶悪犯には変わりない』とさらに述べると、彼は『その通りです』と静かに認めると『死刑』が言い渡されました。

地下鉄サリン事件の判決と現在②広瀬健一

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彼は裁判では裁判官に宗教団体や個人の目的や思想について問われましたが、それに率直に嘘を付かず答えていきました。最終的には自身はマシンの様に組織のトップである『あの人物』の言いなりになっていた事に気づきましたが、彼もまた『死刑』が言い渡されました。いかに重い罪を犯しているのかは自覚していたそうです。

地下鉄サリン事件の判決と現在③横山真人

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彼は逮捕された後も裁判が執り行われた時も、頑なに口を開こうとはせず、謝罪の言葉や事件の証言についても一切言及しませんでした。しかし最終的な判決で『死刑』が言い渡された後で、涙を浮かべ鼻水を垂らしながら、犯した罪の重さを受け止めて死刑執行を受け入れる姿勢を見せました。彼の人物像は超が付くほど『真面目』で無口だったそうです。

地下鉄サリン事件の判決と現在④豊田亨

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同年に日本で起こした複数のテロ事件を引き起こしており、色々な容疑が掛かっていた彼も当然ながら『死刑』が言い渡されました。裁判官は最期に『勉学に優れ成績優秀、性格や人格も良くても、その事は被害者となってしまった人物にも言える事である』と彼の死刑判決について言及しています。

地下鉄サリン事件の判決と現在⑤林郁夫

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彼が別件の犯罪行為で逮捕され、取り調べ時に自ら組織や事件の概要を自供し、紙に内容を筆記したことにより事件解決や犯人グループの逮捕につながったという結果や彼の行動は『自首』に値すると検察は考えて、死刑ではなく『無期懲役』を求刑しました。

極めて異例のケースですが裁判ではこれを認める形で無期懲役という判決結果が言い渡されました。この判決結果についても当時からセンセーショナルを集め、話題を集めました。ではなぜ裁判官はその様な判決を下したのでしょうか?次にその理由について解説していきます。

地下鉄サリン事件で林郁夫はなぜ1人だけ死刑にならなかったのか

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いくつかの理由があると考えられていますが、一つに裁判官は『彼はほぼ間違いなく死刑判決が確定するであろう状況の中で、自身が不利になる様な真実を嘘偽りなく語った様子は後悔や謝罪の情が誠のものであった表れ』と言及しており、彼が自首同然の自供をした事実を認めてそれを考慮したものであると考えられます。

また主犯格であり組織のトップである『あの人物』に指定されなけらば犯行に至らなかったという見方も示し、信仰者の弱みを握られ利用されたと考えたそうです。さらには事件で命を奪われた電車の駅員の親族である人物が『許してもよい』と発言しており、このエピソードも影響を与えた要因の一つと言われております。

この意外な判決結果について

『無期懲役』という刑罰を下した張本人である当時の裁判官は現在は引退しておりますが、今でもあの時の判決はあれでよかったのだろうか?間違っていたのではないか?と自問自答しているそうです。皆さんはこの判決結果について大変シビアな問題とは思いますがどう考えますか?

地下鉄サリン事件の判決と現在⑥運転役メンバー

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運転役メンバーは5名いましたがそのうちの4名は検察により『無期懲役』が求刑され、いずれの人物も最終的には認められ求刑通りの判決結果となりましたが、1名は逮捕された後も裁判の際も一切反省する様子や謝罪の言葉が無く、終始宗教団体の思想に基づきトップである『あの人物』を崇拝する態度や言動を示したのです。

彼は『死刑』すらも宗教団体の為であったりその思想の一環であるという考えを改めることなく、一貫してオウムのトップである人物の為に死を捧げるかのような意思を持っていることを示しました。当然ですが反省や謝罪の意が一切見られない彼には『死刑』判決が下されました。

地下鉄サリン事件の判決と現在⑦製造役メンバー

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宗教団体が起こした殺傷事件やテロ事件において、凶器として使われてきた化学薬品や化学兵器を作成して、それを普及させた張本人である製造役の主なメンバー3人に関しては、『この人物がいなかければ多くの犠牲者も事件も生まれなかったであろう』として検察側は3人とも死刑判決を求刑し、求刑通りに3人とも死刑が言い渡されることになりました。

直接化学薬品や化学兵器を作成した3人以外の彼らから与えられた、作成するうえでの制作過程の業務を手伝ったいわゆる『補助役』の犯罪者たち数名は『死刑』は免れ、それぞれ数年の禁固刑が言い渡されました。

死刑判決されたメンバーは

死刑判決されたメンバー10名近くの犯人たちは、去年平成30年の7月に一斉に死刑が執行されました。その為現在はこの世を他界しております。当然ながらこの出来事は記憶に新しくご存知の方も多いでしょうが、我々日本の国民だけではなく世界的に関心を集め話題となりました。

地下鉄サリン事件の傷跡は今なお濃く残っている

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数々の化学兵器を使った事件を引き起こし、多くの罪のない人間を殺傷してきた犯人たちがどんな判決が下され、現在はどうしているのかを解説していきましたが、ほとんどの主要な犯罪者たちは『死刑』が言い渡され、去年の夏に執行されて既にこの世を他界していたのです。

彼らの犯行によって深く傷つけられた、罪のない犠牲者たち。幸いにも命は助かり現在も生きている犠牲者の中には、心や体の様々な悲痛な『後遺症』に悩まされている人たちが少なくないという事実があるのです。今回ご紹介している事件の傷跡は20年以上経ち『令和』となった今でも濃く残っているのです。

地下鉄サリン事件の傷跡①後遺症

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今回ご紹介している非常に凄惨で悲惨な事態となったテロ事件に凶器として用いられた化学薬品、化学兵器の一つである『サリン』世界的にその存在は人類や人命の脅威になることは知られていましたが、実際に攻撃のために使用されたのは世界でも2回目となり、テロとして使用されたのは初めてとなりました。

医学的にもその有害な物質がどれほど人体に悪影響を及ぼすかは予想されていましたが、実際に吸引してしまい重体になるほど負傷してしまった人たちの多くは、治療により一命をとりとめた後も、様々な後遺症が現れて苦しみながら現在も生活しているのです。

地下鉄サリン事件の傷跡②今でも苦しんでいる人々

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人によって後遺症の症状は様々なですが、視力が低下して視界がぼやけてしまう様になってしまった人や、慢性的にまた頻繁に風邪や熱の症状が出てしまう人たちもいました。更には一命はとりとめたものの、数年後に化学兵器の発がん性により癌を患い亡くなってしまった人たちも少なくないのです。

そして現在でも痛々しい当時の現場や状況がフラッシュバックしてしまい、パニック障害に陥ったり精神疾患を起こしてしまう人、トラウマな体験により電車という乗り物に一切乗れなくなってしまった人もいて現在でも深く苦しんでいる犠牲者たちがたくさんいます。

地下鉄サリン事件の傷跡③子供を作れなかった

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また後遺症として精神的疾患ではなく、身体に症状が出てしまった犠牲者たちは、自身の子孫、子供の人体にも悪影響を及ぼす可能性があるため、それを懸念して子供を作ることを断念せざるを得なかった夫婦もいるのです。こうしてこの凄惨すぎるテロ事件では罪のない人間の輝かしい未来までも奪う事になりました。

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