小平事件とは?連続強姦殺人の犯行詳細や犯人の小平義雄の生い立ちも

2009年に練炭による一酸化中毒で死亡した41歳男性の遺体が埼玉県ふじみ野市で発見されます。

警察の捜査によりこの男性は東京都千代田区に住む会社員の男性であると判明しました。

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自殺と断定するには不自然な点が多かったため警察は被害者の周辺を捜査したところ交友関係から木嶋佳苗が浮かび上がりました。

更に木嶋の捜査を進めると、木嶋は複数の男性と交際しており、中には不審死を遂げていることもわかりました。

埼玉県警は木嶋が結婚詐欺をはたらいていると断定し詐欺容疑で逮捕しました。

この後、複数の男性に対する詐欺などの容疑で計7回の逮捕をされています。2月には70歳男性に対する殺人容疑でついに逮捕されます。

この案件と最初に木嶋佳苗の犯行が明るみになるきっかけとなった東京都千代田区の男性を含めた計3人の殺人容疑でで最終的に起訴されます。

木嶋佳苗の裁判

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第1審の初公判は2012年1月5日で約100日にわたって公判が開かれた。すべての起訴内容について併合審理となりました。

木嶋はすべての殺人容疑について否認しましたが、検察は状況証拠の積み重ねによって容疑を立証していきました。求刑どおりの死刑判決を4月13日に言い渡しています。

木嶋はこの判決を不服とし、即日控訴しました。しかし、東京高裁も埼玉地裁の死刑判決を支持し、控訴を棄却しました。

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この判決に対しても木嶋は即日、最高裁に上告しました。しかし、上告審でもこれまでの下級審での判決を支持し、上告を棄却、2017年5月9日に死刑が確定しました。

現在木嶋は死刑囚として東京拘置所に収監されています。

木嶋佳苗についての詳しい記事はこちら

小平事件と同じ手口が使われた事件④座間9遺体事件

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座間9遺体事件とは、2017年8月22日から10月30日の期間において女性8人、男性1人の計9人が殺害された事件のことです。

犯人は白石隆浩といい、主な動機は金銭・性的暴行目的となっています。

被害者を殺害した後に犯行を隠すために遺体を解体し、一部は遺棄し頭部などはクーラーボックスにいれ自宅に保管していました。

小平事件との共通点は女性の「弱さ」に付け込んで誘い出す点

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座間9遺体事件の犯人、白石はSNSを巧みに利用して孤独感を強く感じている女性を誘き出す手口を用いました。

睡眠薬入りの お酒を飲ませ被害者が意識を失ったところで性的暴行を行い、犯行発覚を防ぐために絞殺し遺体の解体に及びます。

これは、小平義雄が終戦をまたいで社会の問題として確かに存在した食糧難や就職難を利用した点と共通点がありあます。

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SNSにしか孤独を解消する手段を知らない女性をそのSNSを利用して言葉巧みに誘き出した点といい、女性の弱さや困っている点を巧みに使用したという側面からは共通点が浮かび上がります。

座間9遺体事件に関する記事はこちら

 

小平事件を題材にした映画も制作されている

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小平事件は第2小平事件、座間9遺体事件と一見関係ない事件でも共通点を確認できるという点があります。

人間の欲望を満たす上で社会的に問題になっている点や多くの人が困っている点を巧みに利用し犯行に利用するという点では普遍的なテーマとして考えられます。

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そんな事件を代表する小平事件を主題に取り上げた映画を2点ご紹介いたします。

1つめは「続日本暴行暗黒史 暴虐魔」という映画で若松考二が監督としてメガホンを振りました。2つ目は「明治大正昭和 猟奇女犯罪史」という作品です。石井輝男が監督です。

小平事件が題材なった映画①続日本暴行暗黒史 暴虐魔

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木下治演じる丸木戸義雄が連続殺人を起こしながら、被害者の死体を住まいにコレクションしていく話が繰り広げられます。

殺人の手口は絞殺となっていて、小平義雄の手口そのものです。

小平事件が題材なった映画②明治大正昭和 猟奇女犯罪史

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実際に起こった猟奇的殺人事件に材ととったオムニバス作品となっています。

取り上げられている事件は「東洋閣事件」、「阿部定事件」、「象徴切り事件」、「高橋お伝」そして「小平事件」となっています。

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本作は東映が「70年安保を控えて映画も時代に即応した強度の暴力が受けるはず」いって世に送り出した作品となっています。

メインテーマとして「猟奇と真実を通して、人間の本性を追及する。」という言葉を掲げている。

小平事件は戦後直後に起きた凶悪事件!

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小平事件は戦中、戦後の世相を反映した手口を用いた凶悪な犯罪でした。

世相を反映した手口を用いるという意味ではいつの時代でも起こりうる可能性があります。

実際に、小平事件の数年後には「第2小平事件」と呼ばれる事件が生じています。

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これは今回ご紹介したとおり、当時の就職難につけこんで被害女性をおびき出すという卑劣な犯行です。

また1970年代には「大久保清殺人事件」という事件が発生しています。

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これは、最新のスポーツカーに乗って女性に「絵のモデルにならないか?」という誘い文句などで女性に声をかけ強姦殺人をおこなった事件です。

1970年代は食糧事情は好転し、高度経済成長を享受していた時代です。

食料や就職先よりも「絵のモデルにならないか?」といった言葉が女性の気持ちを惹きつけると言った好例といっていいでしょう。

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最近も今回ご紹介した「座間9遺体事件」が発生しています。

犯人の白石はSNSでしか孤独感を埋められない女性の心理を巧みに利用して被害女性にコンタクトをとっています。

実際の白石の供述では自殺願望のある女性が集まるサイトを使用していましたが、本当に自殺願望があると印象を持った女性はほとんどいなかったようです。

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多くの女性は自殺願望をほのめかすことで構って欲しかっただけだといっています。

これらの犯人はある意味本質的に社会の問題点や本質を付いているのかもしれません。

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その点を悪用する人間はどうしても現れてしまうことが否めません。

我々はこういった社会の弱点をつき、言葉巧みに被害者を誘い出す手口はいつの時代にも存在するんだということを認識する必要があると言えるのではないでしょうか。

木嶋佳苗についての詳しい記事はこちら

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