アイゴってどんな魚?アイゴの料理5選からさばき方、毒針の対処法まで!

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魚は全般的に死ぬと血が生臭くなるので、生きているうちに血抜きをしましょう。アイゴの目の後ろ、エラの上あたりの背骨を包丁で一気に切断します。このときはまだアイゴは動いているので、誤って毒針が刺さらないように十分注意し、皮手袋をするか、軍手をしたうえで新聞紙や厚手の雑巾などで押さえながら行ってください。

背骨を断つと魚の動きは止まり、出血してきます。そうしたら、血が抜けやすくなるように海水を汲んだバケツに頭から入れて少し振り、そのまましばらく水につけて置いておくと血抜きができます。

毒針を除去する

血抜きをしてアイゴはすでに死んでいますが、毒は消えていないので毒針を早めに取り除きましょう。キッチンばさみで毒のある背びれ・腹びれ・尻びれを切り取ります。この際、針が残ってしまうと大変なので身のギリギリまで切り取りましょう。背びれのすぐ前の頭部にもひれとは逆向きに生えた隠し棘があるので、これも忘れずに切り取ります。

この作業中も毒針が刺さらないように十分注意してください。また、取り除いた毒のあるひれは、海岸や船上などに放置すると他の釣り人が踏んでしまうおそれがあります。絶対にその場に放置せず、海中に捨てるか新聞紙などに厳重に包んで持ち帰り廃棄するようにしましょう。

内臓を除去する

毒針を除去したら臭みのある内臓を取り除きます。アイゴの内臓は、藻などの消化しにくい餌を食べるために腸が長くなっており、それが渦を巻いているように見えるため「ぜんまい」と呼ばれています。これを取り除く際は、普通の魚のように頭を落としてから腹を開くと、内臓を傷つけて臭みが身に移ってしまうので注意して行ってください。

先ほど血抜きの際に背骨を切断した切れ目にキッチンばさみを入れ、身だけを切りながら腹まで切っていきます。次に反対側も同じようにし、両方の切れ目が繋がったら頭ごと内臓を引き抜きます。その後腹の中を海水か水道水で洗って下処理終了です。内臓も放置するとひどい臭いが漂いますので、海中に捨てるか厳重に包んで廃棄しましょう。

アイゴの保存方法

きちんとした下処理が終わったアイゴは非常においしい白身魚です。他の魚と同様に生の状態ではあまり日持ちしないので、大量に釣れた場合はきちんと加工して保存すると長くおいしさを楽しめます。

例えば、濃いめの味付けで甘辛く煮ておくと冷蔵庫で数日間保存できます。また、生の状態で味噌漬けや粕漬けにしておくと、臭みも弱くなりしっとりしておいしいです。一夜干しにするという方法もあります。沖縄では稚魚を塩漬けにした「スクガラス」という保存食もあります。

 アイゴの美味しい料理の方法5選

アイゴの刺身

アイゴを三枚におろした後、皮をはいで一口大に切ります。臭みが気になる場合は、キッチンペーパーに包んで冷蔵庫で寝かせると臭みが和らぎます。また、醤油やわさびではなく、生姜・ポン酢・柚子胡椒・ラー油などをつけて食べるのもおいしいです。身自体は淡白で身がしっかりしているので何にでも合います。

アイゴの塩焼き

シンプルに塩焼きでもおいしくいただけます。普通に塩を振ってもよいですが、「立て塩」と言って海水程度の塩水(約3%)に数十分ほど漬け、水分をよく拭いてからフライパンやグリルで焼くとまんべんなく塩味がつきます。

アイゴのムニエル

他の白身魚と同じように、ムニエルでもおいしいです。臭みが気になる場合は、バジルやパセリなどのハーブ、カレー粉、ガーリックパウダーなども使用してみると一味変わってオシャレに食べられます。

アイゴの一夜干し

一夜干しにすると、保存もきくようになり、ご飯のおかずだけでなくお酒のおつまみにも良いです。冷蔵で数日、冷凍すれば数週間はおいしく食べられます。干す際は網の上などなるべく風通しの良い環境で干しましょう。

アイゴのつみれ汁

こちらはアイゴの身を細かくたたいてつみれにするレシピです。具をシンプルにしてもアイゴから出汁がしっかり出ておいしいですし、他の野菜なども入れて具だくさんにしたり味噌味にしたりしても大変おいしいです。

アイゴの釣り方

アイゴが釣れる時期

アイゴは昔は夏の魚と言われていたようですが、現在では比較的年中いつでも釣れる魚です。数を狙うのであれば最盛期は7~9月ごろで、大物を期待するのであれば他の魚が釣れにくくなる冬の時期がお勧めです。

アイゴの釣れる場所

アイゴは本州から沖縄まで広く分布していますが、関東などでは外道として扱われ嫌われる一方、関西・中国・九州地方では人気の魚です。磯、岩底、防波堤などの浅くて藻が多い場所に多く生息しています。

アイゴはウキフカセ釣り

ウキフカセ釣りとは、付け餌のほかに撒き餌も使って釣る方法です。付け餌以外に撒き餌も使うことで、魚を集められるだけでなく、付け餌についている針をわかりづらくします。比較的水深のある場所や大型港などで釣る際にお勧めの釣り方です。クロダイやメジナなどもこの方法で釣ることができます。

付け餌には、オキアミなどのほか、酒粕や海苔などを使うこともあります。アイゴはアタリが非常に繊細で、餌を奪われてしまうことも多いですが、一度かかると非常に引きが強く、この引きを好む釣り人もいます。ウキフカセ釣りについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

アイゴ以外で毒針を持っている魚

毒を持つ魚というとフグやソウシハギなどが有名ですが、これは内臓に毒を持つ魚です。そのため食べない限り危険はありませんが、アイゴのように毒針を持つ魚は釣り上げた時点で危険が伴うので注意が必要です。

毒針を持つ魚は他にもハオコゼ・オニカサゴ・アカエイなどがいます。いずれもアイゴが釣れるような場所で生息している魚です。しかし、どの魚も毒針に注意をして適切に処理すればおいしく食べることができます。詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

アイゴを釣ったら食べてみよう

kaboompics / Pixabay

アイゴは毒針がある危険な魚ではありますが、今回ご紹介したように扱いにさえ気をつければ非常に美味しく食べられる魚です。毒針には気をつけながらぜひアイゴを釣っていただき、おいしく料理してみてはいかがでしょうか?

ハオコゼに関する記事はこちら

オニカサゴに関する記事はこちら

アカエイに関する記事はこちら