3つ目の衝撃的な特徴が口の中の構造です。口から食道にかけてトゲのような突起がびっしりと生えています。一見、このオサガメに噛みつかれるとひとたまりもないように思いますが、実はこの突起はシリコンのブラシの様に柔らかく、人が触っても怪我をするようなことはありません。
浦島太郎を竜宮城に連れて行ったのはオサガメ?
昔々、浦島は助けたカメに連れられて、なんていう歌の残る浦島太郎の伝説ですが、浦島太郎を乗せて竜宮城に連れて行ったのはオサガメかもしれない?なんていう説もあります。はるか昔、日本の海が今よりももっと豊かだったときは彼らは日本の砂浜に頻繁に産卵にやってきていたのかもしれません。
オサガメはどうやって生活しているのか
規格外とも言えるほどの大きさを誇るオサガメは一体何を食べてこの巨体を維持し、どのように大海原を泳ぎながら生活し、一億年という気の遠くなるような長い年月を海で生き抜いてきたのでしょうか。
食べ物はクラゲ
この世のものとは思えないような見た目をした口の中でしたが、なぜこのような形状になったのでしょうか。それは、クラゲを捕食するためです。海水と一緒にクラゲを口に含んだ際に、櫛のように濾して海水だけを吐き出し、この突起でクラゲを引き裂くことで効率よく消化するためだと考察されています。
海の深いところまで潜ることができる
深海まで潜る力をオサガメたちは持っており、水深1200mまで潜っていくことができます。これは彼らだけが持つ柔らかな甲羅のおかげで、この柔らかさによって深海での水圧を分散させ、潰されてしまうことなく泳ぐことを可能にしています。
泳ぐスピードも最速
遊泳速度はウミガメの中で最速でなんと時速24キロに達するとギネス記録があります。1トンに迫る巨体を持ちながらも時速24キロという驚くべき遊泳力を誇るのには以下の2点の理由があります。
1.熱を自分で作り出せる
爬虫類(変温動物)であるにも関わらずオサガメには体内に発熱させることができる器官が存在し、外温よりも体温を高く維持できます。また、中が空洞になった骨の中に大量の油が蓄えられており、これも体温の保持のために必要と推察されています。この器官のおかげで効率よくエネルギーを使い、時速24キロものスピードを出しています。
2.大きなヒレを持つ
オサガメが大きさは単に身体だけでなく、その脚のヒレも驚くほど大きなもので、長さはなんと2.7mにもなります。エネルギーを効率よく使いながら、この大きなヒレで水を掻き分けて時速24キロという驚くべき遊泳力を誇っているのです。
オサガメはどこにいる?
クラゲからエネルギーを確保しているオサガメ。オサガメが実に1億年も生き抜いてきたのにはクラゲを取り合う競争相手が少なかったことも理由になります。そんなオサガメは一体どのような海で生活しているのでしょうか。