キジハタとは?
キジハタは、スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜科に分類される魚で、体長は一般的なもので30㎝前後、大きいものになると60㎝を超えるものもあります。「雉(キジ)の羽の模様に似ている」ということから、キジハタという名前が付けられました。全身に斑紋(小豆色から明るい黄色)があり、背中に薄い暗色斑が一つあるのが特徴です。地域によっていろいろな呼び名があり、関東ではキジハタ、関西では「茂魚」と書いてアコウまたはアコ、山陰地方ではその色合いからアカミズと呼ばれています。
キジハタの生態・特徴
キジハタは非常に成長が遅く、孵化してから3年で25cm、4年で30cm程になります。産まれたときはすべてメスとして産まれますが、30~40cmまで成長するとオスに性転換する「雌性先熟」という珍しい特徴を持っています。水温が低い冬から春にかけては深場に身を潜め、真冬の最も寒い時期は週に1回しか捕食しないこともあります。また縄張り意識が強く、人の気配などに驚き一時的に逃げたとしても、また同じ場所に戻ってくることが多いのもキジハタの特徴です。
キジハタの生息地・分布
キジハタは青森県以南から瀬戸内海、九州までほぼ日本全域に生息しており、さらには朝鮮半島南部や中国、台湾にまで生息しています。特に日本海側に多く見られ、水深の浅い沿岸の岩礁域や藻の多い岩場、砂地の混じった場所を好みます。