小坪トンネルは事故も多発の心霊スポット!恐怖の心霊体験の数々をご紹介

また、周縁は別世界への入口とも考えられており、人びとはそこに道祖神や地蔵、塞の神などを祀ることで、邪悪な存在の侵入を防いでいたのです。

トンネルは現代の「周縁」

132369 / Pixabay

このように「内」と「外」との境界となる場所が「周縁」と呼ばれるわけですが、より広くとらえれば、Aという場所とBという場所を結ぶ境界は、すべて周縁の地と考えることができます。

トンネルもまた、AからBへと至る道であることに違いはありません。よってトンネルもまた、怪異の跋扈する現代の「周縁」であるとみなすことができるのです。

「周縁」の例①坂

Free-Photos / Pixabay

典型的な「周縁」の具体例として、筆頭に挙げられるのが坂です。「坂」とは、元来上の世界としたの世界の「境(さかい)」であることから転じて、「坂(さか)」と呼ばれるようになったとされています。

著名な坂の一つとして、『古事記』などに登場する「黄泉平坂(よもつひらさか)」があります。黄泉平坂はこの世と黄泉の国との間にある坂とされ、イザナギの神が黄泉の国から戻ってきたときに「千引の岩」と呼ばれる大きな岩で塞いでしまったと記されています。

「周縁」の例②河原

mcu1st0 / Pixabay

近代以前の日本においては、河原は死体の捨て場所や処刑場として用いられていました。また、そうした死体の処理や処刑に携わる人びとは「河原者」と呼ばれ、差別の対象ともなりました。病人や障害者など、「内」での生産活動に関われない者は、河原者として「周縁」に追いやられていたのです。

さらに、彼岸(あの世)と此岸(この世)を隔てる「三途の川」の存在もあり、川は死に関係する場所とみなされていました。加えて、川自体にも河童や水神が住むとされ、やはり周縁の地として認識されていました。

「周縁」の例③橋

Tama66 / Pixabay

トンネルと同様、あちらとこちらを結ぶ境界の例として、橋があります。そうした橋の中でも有名なのが、京都の「一条戻橋」です。

一条戻橋では、曲がっている五重塔を「戻し」た僧侶が、橋の上で死後に「戻ってきた」父親の魂と再会した、または腕を切られた鬼が腕を取り「戻し」に来たなど、数々の伝説が伝えられています。

「中心と周縁は交流する」

Kaz / Pixabay

このように「内(中心)」と「外」、そして「周縁」との間で、絶えず交流が繰り返されることによって、共同体が一つの運動体として継続してゆく、というのが、今日における文化論において、文化を分析する上での一つのモデルといえます。

そして、そうした「交流」の中には、周縁の地で怪異と遭遇してしまう、といった出来事も含まれているのです。現代においては、それらが怪談や都市伝説として語られることになります。トンネルにまつわる怪奇な噂も、そうした「交流」の一例であるといえるでしょう。

小坪トンネルは様々な霊が集まる心霊スポット

AJO_C / Pixabay

話を小坪トンネルに戻しましょう。小坪トンネル周辺は、曰く付きの場所や心霊スポットが密集しており、怪奇な噂には事欠きません。ですが、実際に多数の事故なども発生している場所ですので、実際に訪れる際には、十分に注意を払ってください。

身近に潜む心霊体験に関する記事はこちら

吹上トンネルに関する記事はこちら