黄色い救急車は精神異常者を強制入院させる?都市伝説の由来と真相を検証!

「移送制度が適応される人」や「自害や他害のおそれがある人」は、制度や法律により病院に連れて行ってもらえますが、「当てはまらない多くの人」は、家族や身近な人に病院に連れて行ってもらうことになります。自力では病院に行けない状態で、頼れる人がいない場合は、最終手段である「普通の救急車(本来は救命救急用です)」を呼びましょう。

手に負えない場合は110番

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精神病患者の一部の人は、暴れてしまい病院に連れて行くことが困難な場合があります。家族の手に負えない時には、110番通報にて警察に連絡し、患者を「逮捕」ではなく『保護』という形で、警察官に病院まで連れて行ってもらいましょう。家族が「押さえつける」「縛り付ける」などの対応を行うのは危険です。

警察官は、「挙動や事情から判断し、精神病が原因で自身や他人に危害や損害を与えるおそれがある状態だと認められた人」は、「自害や他害のおそれがある人」として『保護』しなくてはなりません。警察官は、患者を病院に送り届けた後も、患者の行き先が決まるまで病院で待機していてくれます。

「黄色い救急車」のイメージ払しょくのために

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精神科病棟を想像した時、どんな世界をイメージするでしょうか?「黄色い救急車」に登場する精神科病棟は、「黄色の救急車で連れて行かれる」「鉄格子付きの部屋に入れられる」など、『恐ろしい所』のように語られています。この精神科病棟のイメージは、実際の精神科病棟の姿とはかけ離れています。

現代の精神科関連の病院とその取り組み

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現代の精神科関連の病院では、様々な取り組みが行われています。『スーパー救急病棟』という病棟がある病院もあります。この病棟では、「病室の半分以上が個室」「6割以上は3か月以内に自宅退院」など、高い基準が法的に決められており、手厚い治療を受けることができます。

病院によって違いはありますが、病気の種類や病期に対応した、様々な治療メニューがあります。入院したばかりの人には、時間をかけて不安を聴き、不安を踏まえて説明する『ホッと入院』プログラムがあるなど、初めて入院する人の不安を和らげる取り組みもされています。

ここまで変わった!精神科関連の病院の対応方法

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病院によっては病棟の造りも、「混乱状態の患者が入る個室には、強化ガラスの窓を付け、圧迫感がある鉄格子は付けない」「自殺願望(希死念慮)の強い患者の部屋には、クッションベッドを使う」「追われる妄想のある患者のために、トイレの手すりは登りにくい設計になっている」など、様々な症状の患者に対応できるようになっています。

現代では、脱法ハーブ(危険ドラッグ)による離脱症状が深刻な人の入院も増えています。暴れる患者には大勢の看護師で対応し、患者に抵抗を断念するように促すことで、お互いの危険を回避するなど、力や薬で押さえつけるのではなく、言葉や対応によって患者を落ち着かせる病院も増えています。

救急車にまつわる都市伝説

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「黄色い救急車」のように、たくさんある都市伝説を信じたまま大人になる人も多いのではないでしょうか?その中でも、救急車に関する都市伝説の真相を検証した結果をご紹介します。都市伝説の最新情報【2019年版】に興味のある方は、こちらもご覧ください。

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