「単眼症」とは?「一つ目」で生を受ける衝撃の症例
本来私たちがこの世に生を受けたとき、目が二つ存在しその下に鼻があり呼吸もしっかりできる姿が当然のように浸透しています。ですが大変少ない例ではありますが当たり前の姿として生誕できず、当然のように生きられなかった命も存在するのです。
その名も単眼症。英名でサクロピアと呼ばれます。一つ目で生を受けた姿とは?知られざる衝撃の姿について考察していきます。
単眼症は極めてまれな「先天性奇形」
生を受けたとき、当たり前のようにある2つの目が何らかのトラブルで正しくつくられず、姿をあらわしてしまうのです。一つ目と聞いて怖い・不気味と思いますか?妖怪みたいだと感じますか?
言葉だけでは片づけられない複雑な実情や生を受ける神秘さがありました。珍しい姿についてご紹介していきたいと思います。
脳の発生異常が引き起こす単眼症
妊娠4カ月前後で重要な臓器ができ脳もつくられていきます。さまざまな臓器が2分割されていきますがトラブルが発生し、右脳左脳と分かれず、目も2か所に分かれず成長をしていき単眼症が起こるとされます。
本当なら分かれて生育されるはずの脳が、分かれずに成長してしまい、一つのボールのような塊になるため細胞へ指示を送る機能が発達しないことから重い不調を引き起こすのです。
細胞分裂
体の基礎をつくるための時期ですので、大事といわれています。一つの大きな粘土を使って何かを作ろうとしたとき、細かく千切って形を整えます。これと同じでヒトも一つのものが順番に細かく分かれてつくられていきます。
エコーでの早期発見の難しさ
検診ではエコーを流してお腹の中を映し出して赤子の状態を調べます。初期の段階では発見しにくく成長の差も多少あるので、様子をみながら過ごしていくしかないのが早くに見つけにくい難しさなのです。
顔面のパーツの配置や機能も崩壊
みんな鼻が目の上に初めは位置しており成長と共に目の間を通り下に形が整えられます。ですがこの場合は、鼻が正常に動くことができずに、固定されて額部分にできることが特徴になります。
大人の親指程度の筒状の鼻になり鼻孔も一つしかできません。目も正常な機能をしないため残念ながら長くは命を保つことが難しいでしょう。
特徴的な目
目がとても大きく白目はほぼない状態です。生まれたばかりは目をつぶっていることが多いのですが、バッチリと開けていて、瞬きもしないです。そしてごみが入るのを防ぐ役目のあるまつ毛もないことが特徴になっています。
ヒトでの発生確率は数万人に1人
難病の子供に関する研究を行っている「小児慢性特定疾病情報センター」の統計では、生まれる赤子1万人に対し1人の割合で発生する可能性があるとされます。
発生する数字は、低いとたくさんの熱心な研究の結果明らかとなっています。
単眼症のヒトの寿命は?大人まで生きられない残酷な運命
非常に珍しい染色体トラブルから起こる症例ですが、患ったヒトの一生についてご説明します。自分の意思ではどうすることもできない残酷な定め事とは?辛い出来事ではありますが宿命を受け止めるしかない現実がありました。
流産や出生前診断で中絶される単眼症胎児
たびたび話題となっている出生前診断の段階で発覚した場合には、中絶されることが多いのが現状です。あるいは、夫婦の想いから赤子の命を重んじて出産を選択する場合、中絶する期間を過ぎての発覚の場合には出産という選択肢もあります。
脳が正常に発達していないことで重い不調があること、そして顔の形成トラブルから呼吸することが難しい場合が多いです。
出生前診断とは?
高齢出産が多くなったことで、ダウン症など早期発見のために、任意で行われる診断でありますが、人口流産を促すような診断だと揶揄されることもあります。
一方でイギリスでは妊婦全員に推奨しており、前向きな思考のある国もあります。
産まれても重い障害を伴い長期生存は困難
子宮内では胎盤を通して酸素や栄養を得られているため、命が保たれています。生を受けて自分の器官で息を吸い、呼吸をしていくことは難しいとされています。ほとんどの場合は、産声を上げることなくそのまま亡くなります。
単眼症の寿命を延ばせる
生を受けても悲しい宿命が待っていることが多いとされますが、近年の医療の進歩から延命措置を施すことで、ある程度の期間は命を繋ぐことが可能となる場合も出てきました。ただ、現在の医療では命をただ繋ぐことしか施せません。
単眼症の発生原因は?不明な点も多い複雑な要因
未だに医学界での研究が進められている段階ではありますが、染色体トラブルから起こるものと遺伝的な要素を持ち合わせているものの2つが主な要因ではないかと解明されています。どのような点があるでしょうか?詳しくご説明していきます。
原因①遺伝子の異常や突然変異
DNAが引き継がれる生体物質として染色体があります。通常は妊娠が成立して細胞が分裂していきヒトが形成されていきます。このときに何らかの突然変異が起こりトラブルをきたすため、細胞分裂がうまく行われなかったために起こるのではないかとされているのです。
原因②母体の健康・精神状態も影響
次に染色体異常ではなく母体から影響されるのではないかといわれているものです。母親と胎児は胎盤を通してさまざまなものを共有しています。
- 糖尿病
- 薬物
- アルコール摂取
- ビタミンA欠如
- 強い精神的ストレス
これらが大きな要因ではないかといわれています。全てがヒットするからといって確実に異常をきたすものではなく、可能性が高まる傾向があります。
胎盤を通して胎児に影響する
特に近頃問題となっているのがビタミンAの不足です。食文化の欧米化に伴い肉を食べる機会が多くなり、野菜不足が掲げられます。