八百比丘尼の伝説をもとに不老長寿を考える。日本の人魚も紹介

その母乳を提供するために宮中には女史が控えていたそうです。そのほかにも若さを保つために少年の睾丸を食べていたといった話も伝わっており、彼女の不老に対する並々ならない情熱が伝わってきます。また彼女が食べた不老不死の桃として「蟠桃」は有名であり、今でも国内を始め中国やその他の海外などで生産されています。

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八百比丘尼に見る不老長寿の意義を考える

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古来から世界中の権力者たちが追い求めた不老長寿や不老不死。八百比丘尼の場合、知らずに人魚の肉を口にしてしまったために意図せずそれを手に入れてしまったわけですが、はたして幸せだったのでしょうか。

冒頭の解説にも書いたように、不老長寿になることは大切な人、愛する人が年老いて亡くなっていく姿を何度も見ていくことになります。少なくとも意図せずその力を手に入れてしまった彼女にとっては、村人に疎まれ尼になり村を出てしまったことを見ても幸せなことではなかったのでしょう。

ヨーロッパの人魚

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日本の一番古い記録に出てくる人魚は、顔が人間に似たどちらかというと人面魚のような容姿だったのは前述の通りです。それに対しヨーロッパの伝説に出てくるものは、上半身が人間で下半身が魚という現代のわたくし達に馴染みの深い容姿だったようです。

そしてその肉を口にすることによって、不老長寿や不老不死になるといったような話も伝わっていません。では、ヨーロッパに伝わる人魚はどのような存在だったのでしょうか。伝説からもう少し詳しく見てみましょう。

ローレライの伝説

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日本でも比較的馴染みのある伝説で、名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。ドイツのライン川に現れる美しい人魚で、その歌声で通りかかる船の漁師を惑わし死に導くというような伝説です。もとは実らぬ恋に絶望しライン川に身を投じて亡くなった乙女が、水の妖精となって現れたものだと言われています。

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