人類史上最強の核兵器・ツァーリ・ボンバ!日本に落ちた時の被害範囲は!?

原子爆弾の威力を何千倍も上回るツァーリ・ボンバはどのような構造になっているのでしょうか。なぜここまで強力になったのでしょう。製造が難しいと言われる水素爆弾の、その特徴的な構造について詳しく見ていきましょう。

三段階反応により生まれる威力

qimono / Pixabay

原子爆弾は、ウランやプルトニウムなどの原子核が起こす核分裂反応を原理にした爆弾ですが、ツァーリ・ボンバは核の分裂-融合-分裂の三段階の反応を起こす多段階水爆の一種、3F爆弾でした。三段階の反応で合計100メガトンもの出力を実現することができたのです。

3Fとは、引き金としての分裂反応 fissionと,それにより起きる重水素の融合反応 fusion,さらにタンパー (外皮) の天然ウランの分裂反応 fissionとなるため,その頭文字を取り名付けられました。

ツァーリ・ボンバの威力に迫る!

ipicgr / Pixabay

偵察衛星の技術が進んでいなかった当時、標的となる地点を特定するのは難しいものでした。そこで「目標の特定ができないのであれば、周囲もろとも吹き飛ばせばいい」という発想から、アメリカとソ連はより強力な威力を持った爆弾を求めたのです。

史上最強の威力

ツァーリ・ボンバが爆発する際の出力は、第一段階の核分裂反応で1.5メガトン以上、第二段階の核融合反応で50メガトン以上、第三段階のウランによる核分裂反応で50メガトン以上と、相乗効果で100メガトンを超える恐るべき破壊力が生まれます。

広島に投下されたリトルボーイと比較すると?

stux / Pixabay

広島に投下されたリトルボーイの破壊力は15キロトンでした。ツァーリ・ボンバの破壊力は恐るべき5万キロトンとまさに桁違いの威力でした。実に3300倍という驚異的な数字となります。爆発によって生じるキノコ雲も、ふたつを比較すると大木と豆粒ほどの差となります。

開発者たちの苦悩

StockSnap / Pixabay

開発当時、世界中から優秀な天才科学者たちが核兵器研究のために集められました。核兵器の恐ろしい威力を一番理解していたはずの開発者たち。彼らはなぜ地球を破滅に追い込むかもしれない核兵器を製造していったのでしょう。

アメリカでの研究生活

開発者の多くはユダヤ人でした。もしもドイツが先に開発を成功させた場合、世界がヒトラーに支配されてしまうと恐れたのです。それを回避するため彼らは自らアメリカの極秘研究施設「ロスアラモス研究所」に入り、閉じ込められた研究生活を選びました。しかし、核爆弾完成前にドイツが降伏してしまいます。

広島・長崎に原爆が落とされる

TGrand / Pixabay

ドイツが降伏したため研究者たちもう原子爆弾は不要になったと考えました。ですがアメリカ軍は次は日本を降伏させようと、広島と長崎に原爆を投下します。その悲惨な被爆状況を知った科学者たちは大きな衝撃を受け、後にその多くは核廃絶運動に参加していきます。

NEXT 開発ふたたび