結論からお話しすると、メンダコを食べるということは可能です。ワニやウーパールーパーなど考えられないような獣を扱った飲食店も存在するくらいなので、普段私たちが口にしない生き物でも、うまく調理すれば大抵の生き物は食することができます。
実際にメンダコをで食べた方の感想は、まず匂いはシンナー系の薬品の匂いがするそうです。食感は水っぽく、シゲキックスのような弾力のないグミに近いそうです。そして味はただしょっぱいのだとか。「食べられるが食べるほどのものでもない」という感想が多くありました。
漁師も捨てている
先ほど述べたシンナー系の匂いがするということで地元の漁師たちもすぐに捨ててしまうそうです。というのも、他の魚に匂いが移ってしまうのを防ぐため、ということが一番の理由のようです。このことからメンダコがスーパーなどで販売されることはまずないでしょう。
また、繊細な管理が必要とされるメンダコは、底引き漁によって水上げされたときには、死んでいることが多いようです。実際に食べたことのある方は、漁師から譲ったという方ばかりでした。以上のことからやはりメンダコには食材的価値は無いようです、もし興味のある方は地元の漁師に相談してみてもいいかもしれませんね。
Contents
日本のメンダコ
日本近海に生息するメンダコは現在4種類であるとされています。そのそれぞれが特徴的な外観をしており、一般的に知られるメンダコとはまた違ったユニークさが感じられます。今回ご紹介したメンダコ以外にどのような種類が存在しているのかをご紹介します。
オオメンダコ
メンダコとはほとんど見た目が変わりませんが、名前の通りメンダコ科の中では大きな種類です。メンダコの大きさが20センチ前後に対し、オオメンダコは30センチほどで、大きいものだと50センチサイズのものも存在するようです。
日本での分布は北海道から鹿島灘沖にかけて確認されており、水深500〜600メートルの場所で生活しています。地曳き網漁で採取されることが多いのですが、生きた状態の捕獲が難しく日本での飼育例はほとんど無いようです。
オオクラゲダコ
別名ジュウモンジダコとよばれています。このタコの特徴は、羽のように生えた大きなヒレでしょう。この大きなヒレを羽ばたかせて泳ぐ姿がディズニーキャラクターの「ダンボ」に似ていることから、”Dunbo octopus ”という英名が付けられました。
オオクラゲダコの仲間は世界で14種類の生息が確認されており、見た目も様々です。水深300〜7000メートルの海底で、甲殻類を主食として生活しており、タコ類の中でも深い位置で生息するタコと言われています。
センベイダコ
このタコに関してはほとんど情報が無く、日本での展示例も少ないようです。千葉県沖から土佐湾にかけての水深150〜300メートルで分布が確認されています。オスの吸盤の一部に大きな丸みを帯びるということが特徴です。
メンダコは飼育できるの?
メンダコを家で飼ってみたい!と思う方もたくさんいるのではないでしょうか。こんなに可愛らしい生き物がペットとして飼うことができれば、ずっと見ていても飽きることはないでしょう。実際にメンダコを飼育することは可能なのかご説明します。
水族館でも3日程度で死んでしまった
静岡県にある沼津港深海水族館では深海魚をメインに様々な生き物を展示しています。こちらでは2011年からメンダコの飼育を行なっていますが、この頃は3日ほどで死んでしまったそうです。水族館のような設備があっても、メンダコの飼育は難しいと言えるでしょう。
同水族館は地元の漁師たちの協力のもと、様々な試行錯誤を繰り返してきたそうです。水質、水温、音、光など繊細な管理が必要な生き物です。またストレスにも弱いため、撮影禁止を徹底することでメンダコの展示記録を伸ばしてきました。
ふ化に成功した水族館もある!
メンダコの繁殖生態に関しては現在でも不明なところが多いそうです。そんな研究資料の少ない中で、水槽内でメンダコの孵化に成功した水族館が日本にあります。世界的にもメンダコの孵化は2例しかなく、今後のメンダコの生態解明に期待が高まります。
葛西臨海水族園
2016年4月に親個体が採集されましたが、翌月に死亡が確認されたため卵の摘出が行われました。後に繁殖センター内の水槽にて経過が観察されます。同年10月には幼体が孵化しましたが、孵化から5日後に死亡が確認されています。メンダコの孵化は世界初の事例となりました。
沼津港深海水族館
こちらの水族館では2019年5月とつい先日の出来事です。2918年8月より8ヶ月間、飼育スタッフにより徹底した管理が行われ、メンダコの赤ちゃんが誕生しました。こちらについてはまた後ほど、詳しくご紹介します。