幽体離脱はどんな現象?やり方や原因、危険性についや体験談を徹底解説!

かつてシャーマンは宣託を授かる際、麻薬の力を借り、意識を普段ある領域から切り離していました。薬物による脳内物質の過剰分泌が、超常的な経験を錯覚させるとも言われています。

また動物が死に瀕した際、脳内では麻薬物質が大量に分泌されることもわかっているため、幻覚作用で離脱体験が起きるのだとも言われています。

幽体離脱で魂が抜けたままだと死んでしまうこともある

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もし幽体が肉体を出たまま、戻らなかったら?それは当然「真実の死」を意味します。体験者の中には帰還に失敗し、そのまま死亡とみなされた者もいるやもしれません。

いくら幽体として意識を保っていようとも、肉体を失ってしまえばそれは死であり、ただの幽霊と化してしまう、実は大変に危険な行為でもあるのです。

幽体離脱と明晰夢の関係性

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明晰夢とは「夢だと自覚できている夢」のことです。離脱体験は夢とは異なるものですが、実はこの明晰夢と密接に関係していると言われています。

両者はどちらも”夢を見ている(覚醒はしていない)”、けれども”夢を自覚している(完全に眠ってもいない)”状態を保つことが条件です。そして、離脱は明晰夢の延長線上にあるとされているのです。

幽体離脱の一歩手前が明晰夢

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離脱をする直前の意識はまさに明晰夢を見ているのと同じ状態です。この時意識は現実と夢想の狭間を漂っています。明晰夢自体は意図しなければ誰でも見ることができるもの。その時の状態に「魂をはがす」というワンステップ加えたのが離脱です。

つまり、明晰夢と幽体離脱は隣接した状況であるということです。

幽体離脱は明晰夢をコントロールすることができれば可能?

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すなわち、明晰夢のコントロールを可能にすれば、その先にある離脱を行うための準備段階になるのではないか、という考え方です。

魂のコントロールは念入りな訓練と資質が必要ですが、それに比べたら夢の方がまだ挑戦しやすいですね。なお明晰夢に関して詳しく特集した記事もあるので、ぜひ以下リンクをご参照ください。

幽体離脱を科学的に体験できる実験「ゴムの手の錯覚」

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世の中には意識を覚醒させたまま幽体離脱を体験できるという実験が存在します。

厳密に言えば、幽体を肉体から離すのでなく、単なる錯覚現象の一種なのですが、人間の意識がいかに視覚情報に左右され、かつ簡単に騙されてしまうということが見て取れます。その実験はrubber-hand illusion、ゴムの手の錯覚と呼ばれています。

ロンドンの神経内科医が行った実験

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この実験は1998年に科学雑誌ネイチャーに掲載され、以降、アメリカやスウェーデン、日本も含め、多くの科学者によって探求されてきました。

以下は2004年、ロンドンの神経内科医であるエアソン医師が行った実験のレポートです。用意するのは脳波計、筆や針、そしてシンプルなゴム製の義手です。

幽体離脱の科学的体験「ゴムの手の錯覚」のやり方

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まず被験者の方手を衝立などで視界から遮り、かわりに見える位置に義手を置きます。そして本物と偽物、ふたつの手を同じように筆で撫でていくと、自分の身体ではないと知っていても、だんだん被験者は義手からも感覚を得るようになります。

「あなたの手はどっち?」と尋ねると、視覚でとらえている方、つまり義手を指す人が多かったといいます。

人の感覚は簡単に肉体から脱出する

この結果から、被験者の意識は実体からゴムの手に移ったことが分かりました。この時の体感は被験者いわくまさに「幽体離脱のようだった」とのことです。

人間の意識が実は肉体でなく感覚によって固定されるものであるなら、この実験を進めることによって人は自在に離脱を体験できるようになるかもしれません。

幽体離脱を科学的に体験できる実験②「感覚遮断実験」

また他にも離脱を体験できる実験が確認されています。ゴムの手の実験もそうですが、どちらも厳密にいえば体外離脱であり幽体離脱ではありません。

体外離脱はあくまで「抜け出す感覚を体感する」ものであり、幽体(魂)はちゃんと肉体に残っている状態です。ですが体感的にはどちらも区別がないため、実質幽体離脱体験といってよいでしょう。

感覚遮断実験とは?

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この実験は文字通り、人間の感覚をすべて遮断して行います。五感を失った環境が、人にどのような影響を与えるのか調査するため、1950年代より実施されてきました。

しかし極端な行動制限や拘束状態が必要なこと、また被験者に精神的な問題が残るとして、人道的に問題が指摘され、20年ほどで徐々に行われなくなりました。

五感の遮断

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被験者は手を覆われることによって触角を、目隠しされることによって視覚を、耳栓によって聴覚を…。といったふうに、五感への刺激を徹底して排除されます。

体はベッドに拘束状態で、トイレや食事以外は身体を起こすことは許可されません。実験開始前、被験者たちは「寝てるだけなんて楽な実験だ」と考えていたようです。

起きる現象

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被験者たちは開始当初は自由に過ごしていたものの、しだいに落ち着かない様子で、些細な刺激を求めるようになりました。やがて数日を過ぎると思考が混乱しはじめます。

最終的にはすべての被験者に幻覚やせん妄の症状がみられる結果になりました。この最終段階の状態で、離脱体験をしたという報告が寄せられるようになったのです。

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