「えたひにん」とは?江戸時代の身分制度の概要と苗字や地域の特徴まとめ

当時の宗教の教えでは肉を食べることや血を触ることは病気を持っていると恐れられていました。感染するものと認識されていたので、近づいたら自分も移ってしまうとして不当な扱いがあったのでした。

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何も根拠のない行動であり、これらは精神的疲弊に繋がったことでしょう。

えたひにんの「えた」とは①下級身分の中でも最下層

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最下地位の中でも立場が下でした。なぜかと言いますと、お墓堀りや葬儀を取り繕う業者、罪人を処罰する役、生き物を殺する職を賄っていた人だったからです。

生を一番近くで見ていたのです。名前の由来は、肉食鳥である鷹を使って人の亡骸を処理していた餌取と呼ばれた仕事が当時は存在していました。

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代わりを彼らが任されて行うようになり、餌取をする多くの人物という意味が省略されたことにではないかと諸説あります。

えたひにんの「えた」とは②皮革製品に従事

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長きにわたって獣畜の皮を商品にして生計を立ててきました。武力がものをいう時代でしたので、刀などの武器が必要でした。

武士の雇人としての扱いを受ける人もいたようです。民衆が嫌がる職業でありましたが、需要はありました。商売は貧しいながらも定職にはなっていたため倹約しながら生活はできていたようです。

えたひにんの「ひにん」とは

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住民として籍を持たなかったり、非行に走った者、もしくは罪を犯しそうな危ない人が、分類されていました。街の治安を維持していくために武士らが管理していくために、区切ったグループとも言えます。

さらに3つに分けられて管理をされていました。塀で囲わないけれども刑務所のような縛られた役割をしていたようです。住民票を持たない彼らだたため非住民から呼ばれるようになったとされます。

えたひにんの「ひにん」とは①野非人はホームレス

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もともとは農民で、決まった年貢を納めなくてはいけなかったものの、なんらかの事情で無理になってしまい、無納付になってしまった人が、分けられました。

自己管理のルーズさから転落してしまったことで位は下がり、ホームレスのようなその日だけを考えたライフスタイルでした。彼らは自分たちよりももっと酷い者がいるという安心感さえ得ていたと言います。

えたひにんの「ひにん」とは②抱非人は罪人

4つの罪に当てはまる人がこの分類にされたと言います。

  1. 結婚しているにも関わらず、自分の姉や妹、おば、姪っ子と不倫をした性欲男
  2. 家柄などの関係で結ばれることが難しい恋仲の男女が心中を図り、儚くも生き残ってしまった者
  3. 裕福な主人と家政婦が結ばれてはいけないことを悟り心中を図るが、無残にも生き残った主人
  4. 15歳未満の家のない子供が盗人や罪人になり保護観察が必要な者

いずれも違反金のようにお金を納めれば平民に戻ることもできた足洗制度が定められていました。ただ転落をしてしまうと稼ぎのよい業にはありつけず、その日が暮らしていければ満足というような日々を過ごします。

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上の身分へあがることができるという希望を持ちながらも、貯めることが難しく少しの光も閉ざされてしまう厳しいものでした。

えたひにんの「ひにん」とは③仕事は犯罪人の管理

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罪人が収容されていた牢獄の当番、刑務所に入っている者の送り迎え・刑罰をする仕置き役、処刑する場所の管理や助っ人といった、自ら手を上げて勤める仕事とは程遠いことを賄っていました。

悪人相手の生業だったことから、更生した人物か見た目が危険とみなされ管理を任されたのでしょう。

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また、皮膚が異常に盛り上がる感染症のハンセン病を患った人たちは神の罪を負った人物とみなされ、これらの仕事に関与し隔離されていました。

えたひにんの見分け方①苗字

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徳川幕府にはっきりと分別された制度は、明治の時代に撤去されました。完全にクリーンになったかといいますと結果としては現代も裏では、差別が存在していると言います。

現世において、えたひにんと意識されている人に対しての差別、ライフスタイルについてご紹介していきます。そして昔にえたひにんとして暮らしていた家系も多くいるとされています。

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たくさんある苗字には、それぞれ意味がありつけられたと認識されています。その一部で由来がえたひにんだったのではないかと憶測を呼んでいる字についても考察します。

えたひにんの苗字①「皮」「革」が付く

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動物たちの皮を剥ぎ取って、加工を施し革製品を仕上げて、お金を稼いで生計を立てていたことが苗字の起源ではないかとされています。

皮肉なことにもパッと見ただけで発覚してしまうため、多くの人が苦しむことになります。のちに呼び名は同じでも漢字を変更したケースもあったようです。

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実際に自分の戸籍謄本を取り寄せて辿っていくと、ある時期から漢字が異なる箇所が見つかり、自分の生い立ちについて判明したということもあったようです。

えたひにんの苗字②現在は「川」「河」に変えているケースも多い

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身分や生い立ちがばれないようにと、漢字を変えていることも多かったようです。名前をみただけで就職先を受け入れてもらえなかったりと、制度廃止となった後でも差別があったようでした。

祖父母の代と自分の代で苗字の漢字明記が異なる場合もあったようです。これを調べるには戸籍謄本を辿っていかねばならないので、他人に知れ渡る心配はなくなったとされます。

えたひにんの苗字③川・河・辺・沖・岸・水・島・牛も

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これらの漢字がついた苗字が多いとされていますが、他にも意味合いは持っているので断定はできないでしょう。ちなみに、ひにんにはこのような苗字の区別はされなかったのです。

これにはお金を納めれば身分変更をすることが可能であった彼らは、住まいも変わる可能性があったため苗字の定めを決めていなかったようです。

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また、えたのほうが階級が低かったので差別をするために、わざと命名をしたのかもしれません。どこまでも酷い仕打ちをされる存在であったのです。

えたひにんの苗字一覧の詳細は、えたひにん苗字一覧とは?現在どんな苗字が多い?多い地域も紹介!の記事をご確認ください。

えたひにんの見分け方②見た目

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よく生い立ちや性格は顔に出ると言われるものです。ただ現代でも報道を見ているとわかるように爽やかな好青年に見えても実は裏の顔があったというケースも珍しくありません。

見た目で判別できることが可能なのでしょうか?もしあるとしたならば、どういったことが特徴でしょうか?みていきましょう。

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