マリアナ海溝は世界一深い海!その深さは?海溝に住む不思議な生き物もご紹介!

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その物体とはそれ以降出会うことはなく、現在まで何だったのか明らかになっていません。深海に存在する私たちの知らない発達した文明のなせるわざだったのか、それともまだ見ぬ生き物だったのか、真相はまさに深い深い闇の中です。

生物の鳴き声なのか?マリアナ海溝で謎の音を観測

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続いてもその真相が明らかになっていない謎に満ちたミステリアスなお話を一つご紹介します。こちらはより最近の2014年10月の出来事で、そのデータまでもが公開されています。

マリアナ海溝に響いた複雑な構成の音

不思議な出来事というのはこの動画でご紹介する「音」のことです。時は2014年10月、マリアナ海溝で観測されました。不思議な音の長さはたった3秒間。その音は5つのパートから構成されており、重なり合った複雑な音から低い唸り声のような音と、高い金属音のような2つの音が解析されました。

マリアナ海溝の音はクジラの声?それとも未知の生物?

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当初はミンククジラが発した声ではないかといわれていましたが、かなり複雑な構成をしたその音をクジラが果たして発することができるのかは疑問が残ります。クジラは基本的には低い低音のみを扱うからです。

高音を発する際は発情期のときなど限定的で、低温と高温を合わせたような音を出すのかは明らかとなっていません。果たしてこの不思議な音はクジラによるものだったのか、それとも深いマリアナ海溝にひっそりと息づき発見される日を静かに待つ生き物が存在するのかは誰にもわかりません。

マリアナ海溝とウナギに意外な関係性が?

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まだ見ぬ未知の生物の存在を存分に感じていただいたあとは私たち日本人にとってなじみの深い「ウナギ」とマリアナ海溝の意外な関係性についてご紹介しましょう。きっとマリアナ海溝がより身近に感じられるはずです。

マリアナ海溝付近がウナギの故郷?!

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土用の丑の日をはじめ、おめでたい席や贅沢な日にいただくウナギはどこで生まれているかご存知でしょうか?日本でとれるのだから日本のどこか秘境で産卵するのだろうかと思う方もいらっしゃるでしょう。結論から言うと実は、マリアナ海溝なのです。

ウナギは身近だけど謎多き魚

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現在、ウナギは絶滅危惧種に指定されてしまいました。その原因は人間の乱獲によるところが多いでしょう。しかし、不思議に思いませんか?ウナギには「天然」と「養殖」があります。養殖できるならなぜ絶滅の恐れに瀕することがあるのでしょうか?

実はウナギを卵から稚魚、そして成魚まで育てる完全養殖の技術はいまだ確立しておらず、その理由はウナギがどこで産卵しているのか長い間明らかになっていなかったからです。

2009年、日本のチームがウナギの産卵地を特定!

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稚魚をなんとか川で採取し、それを大きく育てていたのは産卵地がわからなかったからです。そんな謎に満ちたウナギの産卵地を特定したのは2009年の出来事で、成し遂げたのは東京大学の研究グループでした。塚本勝巳教授をはじめとした研究者たちが日本から実に6000㎞も離れたマリアナ海溝の地でついにウナギの卵を発見したのでした。

マリアナ海溝にも深海でお馴染みの巨大生物はいるのか?

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深海といえば映画やドキュメンタリーなどの影響でダイオウイカなどの巨大生物をイメージする方も多いでしょう。ロマンを強く感じるポイントでもあります。そんな巨大生物たちのことも改めてご紹介しましょう。

深海は巨大生物伝説の宝庫!

深海という世界に巨大生物は存在するのか?答えはイエスです。伝説の怪物「クラーケン」のモデルにもなったと言われているダイオウイカの最大サイズはなんと全長49mの記録が残っています。大きなタチウオのような細長い帯のような体を持つリュウグウノツカイは最大11mのデータが残っています。

ホオジロザメの仲間とされている巨大ザメメガロドンは古代生物で、はるか昔の地球の海ではその巨体を武器にあらゆる海を支配していたと想像されています。推定される大きさはなんと20mとも30mともいわれています。メガロドンの現存する化石はアゴの化石しかありませんがそれだけでも十分とんでもない大きさを誇ったことが想像できるほど、大きな化石です。

古来より深海には巨大生物が棲んでいると信じられてきた

古くから人々は深海に巨大な生物がいると信じてきました。画像の様に時折砂浜にとんでもない大きさの死骸が打ち上げられたのに遭遇すれば多くの人がきっともっと大きな生き物もいるだろうと想像することでしょう。

船の下に何倍もの大きさをした巨大未確認生物がいる海の画像などを見た方も多いことでしょう。

マリアナ海溝に巨大生物はいる?

ダイオウイカ、リュウグウノツカイは今でもこの地球に生存していることが確認されていますが、メガロドンに関しては完全に絶滅してしまった線が濃厚で、今なお様々な目撃例があるもののイマイチ信ぴょう性に欠けるものばかりなのが実際のところです。

しかしこの広い海で「いない」と言い切るのは難しいことです。いまだほとんどの人間が足を踏み入れていないマリアナ海溝ならもしかしたら、もしかするかもしれません。正体不明の音や探査艇を観察しに来たディスク状の物体の主が巨大生物かもしれませんね。

マリアナ海溝はどうやって解明されていったのか?深海挑戦の歴史をご紹介!

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たっぷりとマリアナ海溝の魅力をここまでお伝えしてきましたが、そもそもどうやってこんな深い海溝に研究者や冒険者たちは挑んでいったのかをここからはご紹介していきます。チャレンジャーたちの歴史を見ていきましょう。

海の上から深海までの距離を測っていたころは測定技術の黎明期でもありました。どのように10000mを超える推進を図っていたのかにも少し触れながらご紹介していきます。

マリアナ海溝探索の歴史①世界最深の海溝が初めて観測される

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マリアナ海溝が世界最深の海溝を持つことを最初に証明したのはイギリスのチャレンジャー号を用いての調査隊でした。1875年当時の記録は8184mであり、現在のチャレンジャー海淵のポイントを測量したものの言われています。このときの測定方法は「測鉛法」によるものでした。

その後、1899年にUSS Neroによる観測では9363mと記録されています。

測鉛法とは

「ソクエンホウ」と読むこちらの測定方法は読んで字のごとく、船の上から鉛の重りを付けたものを改定へ向かって垂らし、その長さを測るというものです。船からおもりを垂らして図るという実にアナログな方法で最深地のチャレンジャー海淵を測ったというのですから驚きです。

マリアナ海溝探索の歴史②日本の満州号が世界最深記録を更新!

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20世紀を迎えた1925年には日本も観測調査に乗り出します。「満州号」で行われた測定によって水深9814mと記録し、当時の世界最深記録を塗り替えました。こちらで使用された方法は「鋼索測深」で先ほどチャレンジャー号で行ったようにおもりを付けたピアノ線を船体から垂らし、その長さによって海の深さを測りました。

海底の泥の回収も目指しましたがこちらは失敗に終わっています。この時点では世界でもっとも深い地点はこの満州号によって測定された場所であったため、この場所を「満州海淵」と名付けました。

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こののち、本当の最深地点である「チャレンジャー海淵」が後述するイギリスのチャレンジャー号によって発見されますが、もしこの満州号での調査がさらに近くの地点を計測していれば「チャレンジャー海淵」が「満州海淵」だったかもしれないほど当時の時代においては快挙と言えるでしょう。

マリアナ海溝探索の歴史③ついに水深1万m超えの地点が観測される

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続いて1951年。再びイギリスの測量船「チャレンジャー8世号」による測量でさらに記録は塗り替えられ、ついに10910mと1万m越えの記録を打ち立てます。そののち、計測の誤差は補正され現在のより厳密な10863mという値がマリアナ海溝の最深数値とされています。このチャレンジャー号も前述した満州号同様、海底の泥の採取を試みましたが失敗に終わっています。この際採用した測定方法は「音響測深」でした。

この調査のあと、一度チャレンジャー号は日本に寄港し、燃料などの補給を行った後ふたたびマリアナ海溝へと戻りました。地点を数回かえて同様の計測を行い、その結果マリアナ海溝の最深部の幅や距離の測定に成功しました。さらには10504m地点の海底の泥(赤粘土)の採取にも成功しました。

音響測深とは

こちらの測定方法は化薬の爆発によって生じる音波を海底へ向かって発し、その音波の跳ね返りの速度を測定し距離を井算出する方法です。チャレンジャー号の測定においてはこの音響測深法による測定だけではなく、さらに同日に熟練の測量士のもと、ピアノ線に60キロの重しをつけたものを海底に垂らし、海底に達した際の衝撃をもとにピアノ線の距離の算出も行いました。こうした2つの方法から確かな深度を導き出しました。

マリアナ海溝探索の歴史④ソ連によって記録更新!しかし疑問が残る

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イギリスのチャレンジャー号によって観測された地点がマリアナ海溝最深地点といわれていましたが、1957年のソ連によって新たに11034mの記録が打ち立てられました。長らくこの記録が最深とされていましたが、その後の調査で同じ深度が測定できず、現在では公式記録とは認められていません。

マリアナ海溝探索の歴史⑤初の有人潜航に成功!人間が世界最深部へ

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様々な国が様々な方法で船の上から測定してきましたが、ついに人が実際に深海に到達する日が訪れます。それは1960年1月23日のことです。

この世界初の有人潜航を達成したのはアメリカによって開発されたトリエステ号に先述したスイス人のジャック・ピカールとアメリカ海軍のドナルド・ウォルシュ中尉の2人が乗り込み深海に挑みました。2人は海溝の底に到達したと主張しており、その時の深度計は10912mを指していたと述べています。

マリアナ海溝探索の歴史⑥スペンサー・ベアード号が最深記録更新!

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1962年にはアメリカ調査船スペンサー・ベアード号が10915mを測定し記録更新といわれました。しかしソ連との議論が続いたため、1984年に日本の調査船「拓洋」によって再測定を行い、10924mという値を出しました。この際使用された測定方法はナローマルチビーム測深機を用いたものでした。

現在において最後の確定値(十分な裏付けのあるデータ)は日本の無人探査機「かいこう」による10911mが最高の記録といえるでしょう。

ナローマルチビーム測深機とは

「拓洋」が用いたこの測定方法は画期的でした。今まではシングルビームといい、1点に向かって音波を発して測定していました。ナローマルチビームは音波を船艇から改定へ扇状へ発するのが大きな特徴です。これによって広範囲な地形を立体的にとらえることができ、1地点のみの測定ではなく海底面の凹凸など地形の様子も把握できるようになりました。

従来のデータよりもさらに信頼度の高い値を得ることができたといえるでしょう。

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